電撃移籍で引っ越しも…妻が「保育園も調べてくれて」 元日本代表が明かす尽きぬ感謝【インタビュー】
「やっぱり日本代表は諦めたくない」町田・杉岡大暉のキャラクターに迫る
穏やかな表情の中にも、覚悟が感じられた。今夏、湘南ベルマーレから期限付き移籍でFC町田ゼルビアに加入したDF杉岡大暉。若くして日本代表にも選ばれた26歳だが、ひとたびピッチを離れると家族を愛する心優しいパパだ。インタビューからその素顔に迫る。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大/全2回の2回目) 【動画】「ケタ違いの凄さ」見る者の度肝を抜く町田の“最先端”クラブハウス内の映像 ◇ ◇ ◇ 今年2月6日に第二子が誕生し、公私ともに順調な1年になるはずだった。しかしシーズンが始まると、チームの新たな戦術に戸惑い苦戦。ベンチを温める日が多くなっていった。そんななか、7月に町田からオファーが届き、移籍を決断。激動の日々を過ごしたが、支えてくれた家族への感謝を真っ先に語る。 「引っ越しして、こっちの近くに住むことにしました。妻は僕の決断を尊重してくれました。今年は家族がいて大変な部分もあったんですけど、引っ越しのこととか、子どもの保育園とかも色々と調べてくれて。全部やってくれて、ストレスなくやらせてもらったので、すごく感謝しています」 ピッチ上では積極的な攻撃参加が持ち味だが、実際に話してみると穏やかで紳士的。陽気な選手が多い町田に新たなキャラクターとも言えるが、「僕は基本いじられる方なので、ガツガツ来てくれた方が僕もありがたいので、すごく助かるというかすごく過ごしやすいです」と居心地の良さを感じているようだ。 町田に移籍後は徐々にらしいプレーも戻ってきた杉岡。インタビューでは笑顔も見せてくれたが、今後のキャリアについて聞くと表情を一変させた。 「やっぱり日本代表は諦めたくないというか、サッカー選手をやっている以上は目指し続けたい場所ですし、そのためにはやることもやらないといけない。でも大橋(祐紀)くんだったり、年齢を重ねてからも海外に行って結果を残して代表に呼ばれたり、そういう姿を見ているので、チャンスがあったら海外も諦めていないというか、行ってみたい気持ちもあります」 2019年には20歳で代表に初招集されたが、2022年に国内組で構成されたE-1選手権を最後に遠ざかっている。「代表ももちろん狙ってはいます。ただ、目の前のことをやらないとそこも届かないと思うので、試合でしっかりプレーしてから考えたいです」。さまざまな経験を経た26歳が、町田から再び世界を目指す。 [PROFILE] 杉岡大暉(すぎおか・だいき)/1998年9月8日生まれ、東京都出身。FC東京U-15深川―市立船橋高校―湘南―鹿島―湘南―町田。年代別代表の常連として活躍し、2019年のコパ・アメリカではA代表にも初招集された。湘南時代の2019年には、ルヴァンカップ制覇に貢献。決勝でミドル弾を決め大会MVPに輝いた。
FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo