大阪市・横山市長「AIオンデマンドバス、厳しい現実あるが利用促進に努めたい」
大阪市のAIオンデマンドバス社会実験について、横山英幸市長は20日午後の定例記者会見で、「厳しい現実があるのは確か」として、市としても利用促進に取り組みたい考えを示した。 【動画】大阪市の横山英幸市長が定例会見(2023年4月20日)
市内の北区・福島区・生野区・平野区で行われている同社会実験については現在、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)とWILLERグループが実施しているが、いずれも採算が取れていない。 横山市長に、こうした現状への受け止めを尋ねたところ、「実施事業者がそういう答えを出しているので、今時点の現実はそこにあるのかなと思う」との認識を示した上で、「利用促進ができる取り組みができれば」と述べた。 ただ、「今時点でこれをやったら確かに盛り上がるという案はないが、こういう制度があるということを知ってもらう取り組みを加速するしかないと思う」としており、販売促進策は今後具体化する模様。 実験エリアを拡大する考えについては「今の時点ではない。採算が厳しいという話が出ている中で、今の事業を軌道に乗せることの方が重要」と断言した。
同社会実験は、今年で3年目を迎えた。横山市長は「これからの時代、あらゆる手法を駆使して交通利便性を上げていくことが必要。MaaSの取り組みが各自治体で進む中、AIオンデマンドバスは次世代交通の柱として位置づけられるべき」として、実験の成果に期待感を示した。 (取材・文:具志堅浩二)