アマゾン、「お薦め」選出で不当圧力…公取委幹部「出品者がデジタル小作人になってしまう」
19年には、全商品を対象に購入額の1%以上を顧客へポイント還元する制度の導入を計画。出品者に原資の負担を強制する方針だったが、公取委の調査を受けて同年4月に「還元制度への参加は任意」と変更した。
アマゾン側が自ら仕入れて販売している商品を巡っても、納入業者から取引価格の最大10%を協力金として徴収したなどとして、18年に立ち入りを受けた。20年に行政処分である「確約手続き」を適用され、被害相当額として不利益を受けた約1400事業者に約20億円を支払った。
マーケットプレイスで化粧品などを出品する埼玉県の50歳代男性は「物流サービスの手数料が販売額の50%に達した商品もあった。本社に連絡しても、取引条件を巡る話し合いには、一切応じてくれない」と憤りを口にする。
公取委幹部は「現在の安値は、出品費用の値下げや出品者との十分な協議に基づく価格ではない。弱い立場の取引先への圧力で実現したものとみられる。出品者が搾取されるだけの『デジタル小作人』になってしまう恐れもある」と話す。