日本の金融株や割安な中国株が有望-新たな米金利見通し下で選別進む
一方、MSCIのアジア太平洋株式の指標は1.7%程度上昇している。以下は、米金利見通しが変化する中、運用者が注目しているアジアのセクターだ。
割安な中国株
中国と香港の株式は、穏やかなインフレと成長を復活させようとする中国政府の試みにより、活気を取り戻している。経済のモメンタムが改善し、企業収益が改善する兆しも、一時は敬遠されていた市場へ資金を引き寄せている。
M&Gインベストメント・マネジメントでマルチアセットファンドを運用するゴータム・サマース氏は「魅力的なバリュエーション」と「独自の」トレンドを持つ中国と香港を選好している。
日本の金融株
テクニカルな調整局面が近づいてはいるが、日本の成長復活と企業改革の推進により、日本株は依然として多くの投資家から最有望視されている。円は今年に入って対ドルで約10%下落しているが、米国の金利が高いため、介入リスクにもかかわらず円安は当面続くだろう。
フィデリティ・インターナショナルのマネーマネージャー、ジョージ・エフスタソプロス氏は「日本株は、円安と世界的な需要の改善によって輸出企業であれ観光関連産業であれ、恩恵を受けるだろう。日本の銀行は国債利回り上昇が恩恵になるだろう」と語った。
予想される日本銀行の利上げは、金融株にとって好材料だ。TOPIXの銀行株指数は利回り上昇への期待を背景に、今年に入ってから約25%上昇し、日経平均株価の約2倍の上昇率となっている。
パインブリッジ・インベストメンツのマルチアセット世界責任者、マイケル・ケリー氏(ニューヨーク在勤)は「日本では金融株が狙い目」だと述べた。同社は日本に「かなり多く」投資しているという。
韓国、インド
アリアンツGIのアジア太平洋地域マルチアセット責任者、ジジアン・ヤン氏は、「戦術的に、韓国株を特に好んでいる」と述べ、半導体の成長率上昇、底堅い米需要、中国の底打ち傾向に支えられた輸出主導の回復を理由に挙げた。