「春は抜け毛の季節」はウソ? AGAや新生活のストレスの場合も…治療時の“初期脱毛”についても医師が解説
季節の変わり目は体調を崩しやすくなる時期。それは“毛”にも言えるようで、SNSには「春になると抜け毛が増えるような気がする」「春は換毛期?」など、髪の悩みを訴えるコメントも多数。本当に、春になると抜け毛が増えるのか? もしも一過性でなくAGAだったら一体どうすれば…。これまで多くのAGA患者の診療を行ってきた『クニックフォア』新橋院の宋 有奈先生に聞いた。 【ビフォーアフター】まだ間に合う!? 進行したヤバめの薄毛…治療4ヵ月後の変化にビックリ ■人間にも動物と同じ“換毛期”が? 春の抜け毛の原因に注意 「換毛期」という言葉がある。犬や猫などのペットでもお馴染みで、温かくなるとモフモフの冬毛が抜け、そこら中が毛だらけになるのを知る人は多いだろう。これは動物が季節の変化に対応するため、毛量の調節をする防衛本能によるものだ。動物では春や秋などに起こると言われているが、同じ動物である人間も同じなのだろうか。 「人間も秋には『換毛期』のような、抜け毛が目に見えて感じられる期間があると言われているのですが、春にはあまりないと見られています。それでも『春に抜け毛が増える』と感じる人が多いのは、やはり新生活が始まったことによる環境の変化、冬から春へ移り変わる季節で乾燥が激しい…などの影響なのではないと考えられます」(宋先生/以下同) 秋の場合は、夏の強い紫外線を浴びたことや暑さのストレスにより、抜け毛の症状が出るとも言われているが、それにもエビデンスがあるわけではないそうだ。 「ほかにも、季節の変わり目なので、自律神経やホルモンバランスの変化などによる影響も考えられます。ただ、仮に春や秋に抜け毛が増えたといっても、頭皮に関する他の疾患やAGAでない限りは、あくまでも一時的だと思われます」 本当に「一時的」なのであれば時間が解決してくれるかもしれないが、もし「他の疾患」や「AGA」だったらどうすれば…。ちなみに他の疾患というのは、例えば円形脱毛症。それ以外にも、皮膚にアトピー性皮膚炎のようなかぶれが起こっている場合や、にきびなどが原因で抜け毛が起こることもある。また、ポニーテールなどずっと同じ髪型で髪が引っ張られている場合、牽引性の抜け毛につながることもあるという。 そして、とくに問題なのがAGAである場合だ。AGAとは男性型脱毛症のことで、思春期以降に始まり、徐々に進行する脱毛症のこと。髪の毛の成長期が短くなり、成長しきれずに毛が弱り、寿命が短くなってしまうのだ。