「卵忘れたから待ってて!」、カゴへの入れ方にクレームも…「スーパーのレジ係」が明かす理不尽カスハラの実態 「レジ係が椅子に座るとお客さまから批判されそう」
レジ係とは
最近は、ブルーカラーのような「肉体労働者」、ホワイトカラーの「頭脳労働者」のほかに、「感情労働者」という新たなカテゴリーが確立されてきている。 いわゆる「接客・サービス業従事者」たちだ。 自分の感情を押し殺し、どんな時でも「お客様」に笑顔で対応する業務。そのなかでも、“様々”な客と対峙する(しなければならない)職種の一つが「スーパーのレジ係」だ。 「2023年スーパーマーケット年次統計調査報告書」によると、レジ係の一般的な就業形態はパートタイマーで、店舗では79.3%を占める。求人募集時の時間給の平均は、都市圏で1061円、地方圏で922円(「都市圏」は東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、大阪)。自身の都合に合わせ、自宅周辺で働ける仕事として育児の合間や育児を終えた女性の働き口としての募集・応募が多い。 ちなみに、客単価の平均は、平日では2108.3円、土日祝では2428.5円であり、土日祝の平均客単価の方が高くなっている。売場面積別にみると、売場面積が大きい店舗で平均客単価が高くなる傾向が見られる。
客は「なんでもやってもらえる」と思っている
先述した通り、レジ係は多くが女性だ。一般的に、女性は男性よりもカスハラを受けやすい。それにスーパーは、衣食住を支える大衆性のある場。店側が客を選べないうえ、買い物客の誰もが「レジ」を通るため、レジ係は理不尽なクレームやカスハラを常に受けやすいのだ。 今回のレジ係に対する取材でも、「店員だからなんでもやってもらえると思っている客が多すぎる」という、理不尽なクレームを訴える声が多かった。 「スキャンした商品をカゴに移し替えている間、入れ方を細かく指示してくる方、商品をほとんど打ち終わっているのに『卵忘れたから待ってて』と売り場へ消えてしまう方、レジを閉めて他の対応に当たっているのに、「Close」のプレートをどけて『会計しろ』と言ってくる方。実に色んな方がいらっしゃいます」 「お客さまのなかに、カートをレジ台に寄せるだけの方がかなりいらっしゃいます。レジ係に『移してくれ』と言わんばかりに。しかし、こちらから重たいカゴを台に載せると腰にとんでもない負担がかかる。1人で移せない時は声をかけていただければと思いますが、台へ移すのはお客さまの作業だという認識は持っていてほしい」 SNSにも、レジ係の人たちが日ごろ心に秘めた思いが溢れている。 「会計の順番が来た客が『5kgの(コメのブランド)がほしい』と言い出した客に、『かしこまりました、お待ちしております』と伝えたところ、『私に取って来いって言ってるのか』と怒り出した」 自身を神だと信じ込んでいる客は、もはや「疫病神」だ。以前、SNSではこんなツイートが議論を呼んでいた。 「店員は、セルフレジで買い物した客に『ありがとうございました』って言っちゃいけないルールでもあるのか? 普通に接客したら元気なお兄さんですら、セルフレジだとチラ見してスルーしてくる」 こういう客は自分から「ありがとう」「ご苦労様」と店員に声をかけてみたらいい。そうすれば店員は必ずや望み通りの言葉を返すはずだ。