新世代の「シーベイビー」 ウクライナの水上ドローン
キーウ、ウクライナ、3月6日 (AP) ― ウクライナ保安庁は、これまでにロシア黒海艦隊のフリゲート艦や機雷敷設艦、哨戒艦などを撃沈した水上ドローン「シーベイビー」の最新型を公開した。 同保安庁の説明によれば、最新型無人艇は1トンを超える爆薬を搭載して、時速90キロの速度で、1000キロ以上の距離を航行可能だという。 ウクライナは、その製造に特化した部隊を設置した世界で最初の国だと主張。 2年におよぶウクライナ戦争は一面で、新軍事技術の実験場となっており、その意味で水上ドローンは、21世紀の戦争における不可欠な兵器となりそうだ。 昨年7月、2隻の水上ドローンがクリミア半島とロシア本土を結ぶ主要補給路であるケルチ大橋を攻撃した結果、橋は一時的に通行不能となった。この攻撃に使われたのがシーベイビーだったといわれている。 また、8月には黒海に面したロシアの軍港を攻撃、揚陸艦が損傷した。 ウクライナのノウハウと創意工夫が新世代の水上ドローン開発の背景にある。 これらのドローンは国内で設計され、テストされているが、一部の部品は海外で調達されている。 ロシアを相手に、兵力と物量で劣勢に立たされているウクライナだが、大胆な水上ドローン攻撃で自軍兵士の士気を高めていることは確かだ。 シーベイビーの製造コストは約3312万円と決して安くはないが、何億ドルもの価値がある敵艦にダメージを与え、撃沈させる可能性がある。 世界中の企業や個人から寄付を募る政府系クラウドファンディング組織「ユナイテッド24」が、開発、製造資金を集めている。 (日本語翻訳・編集 アフロ)