WBCはメジャーへ流出する日本人選手の品評会に。ポスティング制度に規制とペナルティーを課すべき【堀内恒夫の悪太郎の遺言状】
懸念される日本野球の空洞化 止められないメジャーへの流出
ポスティング制度は見直しが必要ではないのか。メジャーに挑戦したければ松井秀喜のようにFA権[現在は海外FA権]を行使して堂々と海を渡ればいい[写真=Getty Images]
2月17日から巨人のキャンプ地・宮崎県運動公園で、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向けて侍ジャパンに選出された26人のメンバーによる強化合宿が行われた。 集結した錚々たるメンバーを見てもらいたい。投手陣ではメジャーを代表するパドレスのエース・ダルビッシュ有が先頭に立ち、3月6日に行われる阪神との強化試合からはエンゼルスの二刀流・大谷翔平も戦列へ加わる予定だ。さらに野手ではカブスの鈴木誠也と今季からレッドソックスへ移籍した吉田正尚、カージナルスに在籍する日系人のラーズ・ヌートバーの計5人の現役メジャー・リーガーが出場することになっている。本当にすごいメンバーが顔をそろえたものだよ。 もちろん、メジャーに在籍する選手たちばかりではない。昨年、日本一に輝いたオリックスのエース・山本由伸や、完全試合を達成したロッテ・佐々木朗希も、侍ジャパンのメンバーとして名を連ねている。三冠王に輝き、日本選手史上最多の56本塁打を放ったヤクルト・村上宗隆も、侍ジャパンの一員として参戦する。 3大会ぶりの世界一奪取を目指し宮崎へ集結した今回のメンバーを見て、「巨人軍はアメリカ野球に追いつけ、そして追い越せ」と唱えたプロ野球創設者の故・正力松太郎さんが、どのような感想を抱くだろうか。巨人OBの俺としてはどうしても想像してみたくなるんだけれどね。 侍ジャパンは、まさに「日本野球発展の象徴」だけどさ。メジャーに在籍している選手たちが、日の丸の下へ馳せ参じてくれるのはうれしい限りだ。 だが、彼らの動向を注視するメジャーの関係者が大勢いるからね。実際に宮崎強化合宿へドジャースの関係者が訪れている。 彼らは日本代表の戦力分析を行っていたわけではない。侍ジャパンの注目選手たちが「メジャーでどのくらい活躍できるか」ということを値踏みしているに違いないんだ。世界一を決める野球の国際大会WBCが、出場する日本人選手たちの品評会の様相を呈しているというわけだよ。 実際に2006年の第1回大会で・・・
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週刊ベースボール