「軽自動車だから“軽油”だろ!」 うっかり「誤給油」本当に入れたらどうなるの? レギュラーとハイオクの入れ間違いは大丈夫?
ガソリン車に軽油を入れるとどうなるのか
ガソリンスタンドでは通常「レギュラー」と「ハイオク」、そして「軽油」と、3つの種類(油種)の燃料が販売されています。 これらは一見似たようなものに思えるものの、製造する時に違いがあります。 【画像】スゴい! これが給油口の中身です! 意外な構造を画像で見る!(25枚)
どれも原油を加熱して作るのは同じですが、35度~180度で取り出すのがガソリンとなり、より高温の240度~350度でできるのが軽油です。そのため、ガソリンは常温・常圧で燃える性質があり、対して軽油は高温高圧でよく燃えます。 こうした性質の違いにより、それぞれの燃料が対応できる車種は決まっています。ガソリンは一般ガソリン車用、ハイオクガソリンはハイオク車用であり、軽油はディーゼル車向けの燃料です。 セルフ式ガソリンスタンドでは利用者が間違わないように、給油ノズルの色がレギュラーは「赤色」、ハイオクは「黄色」、軽油は「緑色」というように法令で決められているのです。 ところが、軽自動車に軽油を給油してしまうというニュースがしばしばみられます。クルマの名称から軽油を連想しやすいということもあり、意外に多いトラブルとなっているようです。 軽油はトラックや、乗用車でもディーゼルエンジンを搭載したクルマに使う燃料となっています。 そして、軽自動車にはディーゼルエンジンではなく、ガソリンエンジンが搭載されており、軽油を入れるのは間違いです。 では、なぜガソリンエンジンを搭載するクルマに軽油を入れてはいけないのでしょうか。 そもそもクルマのエンジンは、使用する燃料の性質に合わせて開発されています。ガソリンを使用するガソリンエンジンは、ガソリンを空気と混ぜて圧縮し、点火プラグにより爆発させることで駆動力を得ています。 ただこのとき、ガソリンの異常爆発により、エンジンに振動や金属音が出るノッキング現象が起こることがあります。 このノッキング現象をより起こしにくいのが、ハイオクガクソリンです。ノッキング現象の起こりにくさをオクタン価という数値で表しますが、ガソリンはその値によってレギュラーとハイオクに分類されているのです。 JIS規格のオクタン価はレギュラーガソリンが85以上、ハイオクガソリンは95以上。つまりハイオクとは、オクタン価が高い(hight octane)という意味です。 スポーツカーなどのエンジンはハイオクガソリンを使うように開発されている、と考えるとわかりやすいでしょう。 一方で、軽油を使うディーゼルエンジンは、空気を圧縮し、軽油を霧状に吹きかけて自然着火させる仕組みで、ガソリンエンジンのような引火プラグはありません。 ガソリンエンジンとディーゼルエンジンは、燃料を燃やす構造が異なることから、 ガソリン車に誤って軽油を入れるとトラブルが起こります。 ガソリンスタンド担当者は、誤給油について次のように語ります。 「間違った燃料を給油してしまうと上手く燃料を燃焼させることができなくなり、走れなくなってしまいます」 ガソリンに軽油が混ざると燃えにくくなるので、エンジンの出力が下がり、加速が鈍くなるという症状がでます。 そのまま走り続け、供給される燃料が軽油だけになると黒い排気ガスを出しエンジンが止まってしまうといいます。 そうした場合、燃料をガソリンに入れ替えれば、再び走行できるのですが、エンジンが壊れてしまうと修理が必要になります。