循環バスの継続に苦慮…運行する1事業者に300万円、和光市が支援金 1ルート当たり200万円の追加も 運転士不足や燃料費高騰で…撤退を通告のバス会社、25年度は現状維持に 市、今後も業者側と協議
市内の循環バスの運行を委託しているバス会社が運転士不足などから運行継続に苦慮している問題で、埼玉県の和光市は27日、運転士確保に向けた取り組みを支援するため、事業者に支援金を交付すると発表した。2024年度のみの措置。28日開会の市議会12月定例会に提出する24年度一般会計補正予算案に、国の物価高騰重点支援臨時交付金を財源にした交付金1600万円を計上した。 市によると、市内の循環バスは、東武バスウエストが3ルート、和光輸送が2ルートを運行。市は運賃収入から燃料費や人件費を差し引いた差額を助成している。支援金は1事業者300万円を基準に1ルート当たり200万円を追加した金額を、申請した業者に本年度中に交付する。 交付金の使途は、運転士の採用活動や大型2種免許取得費用の補助、休憩所の整備や業務負担を軽減するための機器の導入など、運転士の離職を防止する働きやすい環境整備などへの活用としている。
運転士不足の問題は、東武バスウエストが乗員不足や燃料費高騰などを理由に25年度以降の撤退を通告していたが、「採用活動の見直しなどにより一定の改善がみられた」などとして、25年度は現状を維持することになった。 同社は隣接する新座、朝霞市でも循環バスを運行しており、新座市には同様の理由で撤退を通告し、後に撤回、運行継続している。 和光市公共交通政策室は「市内循環バスは市民の重要な移動手段の一つで、運行事業からの撤退は市民生活に大きな影響を与える。25年度以降の支援金事業の有無も含め、今後も業者側と協議しながら対応していきたい」としている。
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