MX ERGO Sレビュー - ロジクール定番トラックボールマウスが静音&USB-Cで魅力アップ
3つ目の進化は、コロナ禍出のリモートワーク拡大とともに問題視された「クリック音」の低減。MX ERGO Sはその「S」の名の通り、静音スイッチを使用しています。新製品のプレスリリースでは、耐久性の言及はないものの、80%静音となったスイッチを採用していると書かれています。
手に合うかどうか、ショップで実機を触ってみよう
■正当なマイナーチェンジで魅力アップ、欲を言えば…… 今回じっくりMX ERGO Sを触ってみました。 使い込まれた旧製品と比較するとカッチリ感がありますが、基本的な使用感は変わらず。ボールはいわゆるルビー軸受(赤くないので実際には酸化アルミニウム)で保持されており、動きはスムーズ。他社でボールベアリング軸受けの製品があり、滑りはいいのですが「ゴロゴロ感」が少々気になっているので、定期的な掃除をするという前提でルビー軸受けはメリットに感じます。 注目ポイントの1つである静音クリックに関しては、好みが分かれそうです。押した手ごたえはソコソコあるものの、カキっとしたシャープさは従来のMX ERGOと比べスポイルされている感じがありました(それが「静音」ではありますが)。 静音スイッチはメインの右/左クリックのみで、ホイールの左右チルトなど他の部分のスイッチは今まで通りのようでカキカキ音がなります。上位機種なので、静音スイッチ使用と記載するなら全部変えて欲しかったところ。スイッチの耐久性に関しては問い合わせたところ「5Mのスイッチを使用している」との事で、個人的には少し物足りなくもありました。 新しいMX ERGO Sは従来製品の問題点を解決している良製品と言えますが、見た目はほとんど同じマイナーチェンジ的な製品となります。すでにMX ERGOを使用している人が即乗り換えるというよりも、今の製品が使えなくなったら、あるいはそろそろ壊れるかもしれず予備機が欲しいという人に向いていると思います。 個人的な希望としては、付属するUSB-AのレシーバーがそろそろUSB-C化する検討があるとうれしいです(ノートパソコンではUSB-Cのみという製品も出ているため)。あと、レシーバーが本体に格納できないので、これも格納できると助かるところ(マグネット板を底面に付けている関係で構造的に難しいのかもしれませんが)。さらに欲を言えばEasy Switchに対応しMagSpeed Smartshiftをサポートしてもらえると最高です。 最後に、この手のトラックボールマウスは、ハマれば長く愛用できすが、使い勝手に関してはクセがあるのも事実。 というのも先日、他社のトラックボール製品を買ったところ、微妙な大きさの差と滑り止め塗装により、手に余計な力が入る感じがありました。ちょっとの差とも言えますが毎日8時間使うという場合、疲労度に影響はでるでしょう。 MX ERGO Sの握り心地についても、個人的には外出先まで持ち歩くほど使い込んでいる愛用品ではありますが、実機が触れるショップでじっくり触って、手に合うかを確認してから購入されることをおススメします。
小林哲雄