月収20万円のフリーターです。将来「厚生年金」を受け取ることはできますか?
先日、大学を卒業してから月収20万円のフリーター生活を続けていた29歳の方から「自分は厚生年金を将来受け取れるのか」という相談を受けました。 そこで、月収20万円のフリーターは厚生年金を受け取ることはできるのか、受け取れる場合はどれくらいの金額になるのか、考えてみました。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
厚生年金を受け取るための要件は?
日本年金機構の情報によれば、厚生年金を受け取るための要件は、国民年金の受給要件を満たしており、かつ、厚生年金の加入期間がある場合とされています。 厚生年金に加入している場合は、同時に国民年金にも加入していることになるため、基本的に厚生年金に加入している方であれば、国民年金の受給要件を気にする必要はないでしょう。 厚生年金といえば、かつては「正社員の特権」と思われていた時期もありました。しかし、今はフリーターであってもフルタイムで働いていれば、勤務先の厚生年金に加入することになっています。 フルタイムでなくとも、就業規則や労働契約などに定められた労働時間および労働日数が、正社員の1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数の4分の3以上あるなど、フルタイムに近い時間働くことで、加入することができます。 なお、小規模な個人事業主に雇われて働く場合、厚生年金の適用が除外され、フルタイムで働いていても厚生年金に加入できないという場合もあるようなので注意が必要です。
月収20万円のフリーターが受け取る厚生年金の額は?
では、月収20万円のフリーターが将来受け取る厚生年金の額を、具体的に試算してみましょう。条件は下記のようなものになります。 ・1995年10月1日生まれ ・20歳から21歳は学生で国民年金に加入 ・22歳から59歳までフリーターとして過ごし、厚生年金に年収240万円で加入 すると、65歳から受け取る年金は、年間127万円となります。月額換算すると約10万5000円です。事前に老後に向けた資産形成をしている・相続によって財産を得ているなど特例的な状況はともかく、年金だけで将来生活していくことは難しそうです。 2022年に行われた総務省統計局の家計調査によれば、65歳以上の単身無職世帯の月々の支出は、15万5495円となっています。65歳以上の夫婦のみの無職世帯においては、26万8507円となっています。 いずれにせよ、このまま月収20万円のフリーターを続けても、配偶者が月に17万円近い額の年金を受け取らない限り、将来は年金だけで、統計上想定される一般的な生活をすることは難しい可能性があることが分かります。