パッチで1分毎にデータ取得、異常値はアラームで。糖尿病医療の最先端とは
五大成人病のひとつである糖尿病。日本での糖尿病患者は2000万人。予備軍も含めると、6人に1人が糖尿病と言われています。 【全画像をみる】パッチで1分毎にデータ取得、異常値はアラームで。糖尿病医療の最先端とは 糖尿病は世界的な問題で、現在5億3700万人の成人が患っており、2045年までに7億8300万人に増加すると予測されています。日本でも2017年以降、患者数が約2000万人に増え、その数はランニング人口とほぼ同じだそう。40代までは身近とは言えない話題かもしれませんが、実は誰もが他人事ではない病気なんです。 2024年3月28日、アボットジャパン合同会社が持続グルコース測定器「FreeStyleリブレ 2」の新製品発表会を開催しました。この最新テクノロジーが、糖尿病患者の "血糖コントロール事情" に革命を起こしてくれそうです。
血糖コントロールの重要性と課題
糖尿病の治療は、日々の血糖コントロールが基本です。高血糖の状態が慢性化すれば、網膜症、腎症、神経障害などの合併症を引き起こします。かといって血糖値を下げる薬が効き過ぎると低血糖になり、急に意識を失ってケガをすることもあるし、認知症や脳梗塞・心筋梗塞などのリスクも高まります。 だからこそ、日々の血糖値の変動──「血糖トレンド」を把握することが超重要。これまで日本では、指先を針で刺して行なう自己血糖測定(SMBG)が一般的でした。しかしSMBGは、採血に適した場所や時間が必要だったり、食事や運動、ストレスなどで大きく変動する血糖値をきめ細かく追うことも困難でした。
「FreeStyleリブレ 2」の2つの新機能
そこで開発されたのが、持続グルコースモニタリング(CGM)という方法です。皮下に装着するセンサーでグルコース値を持続的に測定するもので、「FreeStyleリブレ 2」もこの方法を採用しています。 発表会に登壇したアボットジャパンの松香寿郎氏によると、「FreeStyleリブレ 2」は従来製品に加えて2つの新機能を備えています。1つ目は、スキャン不要でリアルタイムにグルコース値をスマートフォンに表示する機能。これにより、ユーザーは24時間365日、自分の「血糖トレンド」をグラフとして確認できます。 2つ目は、ライフスタイルに合わせて低血糖・高血糖のアラート機能を選択できること。これらの新機能により、ユーザーはグルコース値の変動をリアルタイムで把握でき、適切な対応が可能になります。また、データがクラウド上に保存されるため、医療従事者や家族が患者のデータを遠隔で確認することもできるのです。