世界唯一の月経博物館はなぜ台湾に? フェムテック先進 台湾のいま
世界で共通認識となりつつある3つの問題とは
このNPOは三つの問題を解消することをミッションにして活動しています。 一つ目は生理用品などを購入することができない、または節約のために生理用品の使用頻度を減らしたり、トイレットペーパーなどで代用したりしている人が抱える「生理の貧困(Period Poverty)」。 二つ目は、生理が不潔であるとか、人に隠すべき恥ずかしいものであるといった「生理への偏見(Period Stigma)」。 三つ目は、先天性の生理現象であるにもかかわらず、社会的弱者にとっては大きな負担となるのに対し、生理用品に税金がかけられることや、公共の場で生理用品が提供されていないこと、生理休暇が取得できないといった「生理の不平等(Period Inequality)」です。 「生理は、生理学上の女性なら誰でも経験する日常の一部分。社会の50%の人が経験することを、100%の人に知ってほしい」と、小学生から大学生、親子まで、幅広い世代へ授業を行っています。月経博物館では日本語対応も準備中とのことなので、旅行の際にはぜひ立ち寄ってみたいですね。 【大龍峒】 小紅厝月經博物館(シャオホンツォンユェジンボーウーグァン) The Red House Period Museum 所在地 台北市大同區重慶北路三段335巷40號 電話番号 02-2592-5382 営業時間 金~日曜 11:00~18:00 定休日 月~木曜 ●教えてくれたのは…… 近藤弥生子(こんどう・やえこ)さん 編集・ライター 2011年2月より台湾在住。オードリー・タンからカルチャーまで、生活者目線をモットーに取材。日本語著書に『オードリー・タンの思考』(ブックマン社)など。 ※表紙と巻頭グラビアに登場したNICHOLASのスペシャルインタビュー、台湾で必ず食べたい豆花や魯肉飯の名店、メイドイン台湾の美しい日用品などが盛りだくさんの「行かなくちゃ、台湾」特集は「CREA」2024年春号でお読みいただけます。
近藤弥生子