未来の“自撮り”を体験できる「SELPHY×セルフィー展」が開催中…キヤノンのミニフォトプリンター体験ブースも
渋谷モディで11月28日(木)にスタートした「SELPHY×セルフィー展」をレポートする。この名前でピンと来た人もいるかもしれないが、同イベントにはキヤノンのミニフォトプリンターがコラボレーションしている。イベントは12月1日(日)20時00分まで。 【画像】「Thermo Selfie/サーモセルフィー」の前に立てば、検温と撮影をしてくれる まず“セルフィー展”についてだが、こちらは「自撮り文化」の変遷やその未来をテーマとした実験型展示で、今年5月にも開催しており今回が2回目。会場には様々なセルフィー装置が並び、前回は約2,000名が来場して6,000枚以上の自撮りが行われたという。自撮り文化のこれからを模索する実験的な場として、株式会社HYTEKと株式会社 博報堂アイ・スタジオが主催している。 そして今回、そのセルフィー展にichikara Lab(キヤノンマーケティングジャパンの企業内起業)のSELPHYが参加。会場でセルフィー装置から写真を出力するプリンターとして「SELPHY QX20」や「SELPHY CP1500」を使用したほか、ミニフォトプリンターの体験ブース(購入も可)を用意している。 HYTEKによると、実は1回目のセルフィー展でもSELPHYシリーズのプリンターを採用していたという。コンパクトであり、スピーディかつ発色のよいプリントができるとして、もともとスタッフが好んで使っていたのだそう。そこから今回の正式なコラボレーションにつながった。 ■ AIで未来のポーズを生成など…4つのセルフィー装置が展示 「Thermo Selfie/サーモセルフィー」は検温と撮影をあわせて行うもので、HYTEKが一番最初に製作したセルフィー装置。各所で検温が求められたコロナ禍に、その中でも何か楽しいことはできないかと、来場者が笑顔になれるよう願いを込めて開発したという。 出力はカードプリントで、顔写真とともに検温した数値が記載される。仮にそれが感熱紙へのプリントだとしたら、お土産にするには寂しいのではないか、せっかくならば楽しい思い出として持ち帰ってほしいという思いもあり、カードプリントというクオリティにこだわったのだそう。 2023年に様々な会場で声出しが解禁になったのにあわせて開発したのが「Yell Selfie/エールセルフィー」。キーワードを黄色いメガホンに向かって叫ぶと、それが撮影の合図となる。この会場でのキーワードは「セルフィー最高!」だった。 プリントにはシャッターの合図となった声の音量を示すdB(デシベル)の値と、QRコードも記載される。QRコードを読むと、叫ぶ瞬間の様子が動画として楽しめる。 AIが、未来のトレンドになるであろうと予測したポーズで撮影できるのは「FUTURE TREND SELFIE/未来プリ」。クール、ポップ、キュートの中から好きなジャンルを選ぶと、装置がランダムで「○○年のトレンド」をテキストで指示。それに合わせて各自の解釈を加えてポーズを決める。 開発にあたっては、“自撮り文化が育ち、進化してきた街・渋谷”で過去に撮影されてきた様々な自撮り写真を学習させたという。例えばハートマークひとつ取っても、それを表すポーズはこれまで多彩に変化してきたのだという話を聞くと、自撮り文化の歴史の奥深さを感じざるを得ない。 この会場で唯一、撮影しないプリント体験だったのが「Resume Selfie/履歴写」。名前や年齢、学歴、趣味を入力すると、それにあわせてAIが架空の顔写真を生成しプリントしてくれるという装置だ。 履歴書における顔写真の必要性について議論がある状況を受けて開発したという装置。外見による偏見を助長することなく、内面を伝えるために最適な写真を提供するという。そこに写し出されるのは、経歴や能力からAIが判断した“内面の姿”だ。 ichikara Labが展開するブースでは、10月31日(木)に発売したミニフォトプリンター「SELPHY QX20」のプリント体験を行っている。自身のスマートフォンに保存されている写真から好きなものをプリントできる。現行製品の購入も可能としており、スタッフが常駐しているので、製品のポイントや自身の使用シーンに合わせた製品選びについて尋ねてみるのもよいだろう。 写真撮影やプリントを通して、ひとが笑顔になれる仕掛けがたくさん用意されたイベントだ。筆者が“自撮り文化”という言葉に触れ、その世界に足を踏み入れたのは今回が初めてのことのように思う。写真やカメラ、プリントといったキーワードだけではくくり切れない、多様な文化が実はすぐ近くにあるのだなと感じた。イベント開催期間は12月1日(日)までと短いため、ぜひこの機会に新しい自撮りとプリント体験の可能性に触れてみてほしい。
デジカメ Watch,本誌:宮本義朗