【2024インターハイ】世界レベルを体感し、オールラウンダーとしてに飛躍が期待される阿部友愛
「試合を見ていて、こんなこともできるんだって思うことがあります」
聖和学園を率いる小野裕コーチは、チームの大黒柱である阿部友愛のプレーに驚かされることがしばしばあるという。阿部はポストアップからのインサイド、ドライブからのフィニッシュ、中距離のジャンプショットなど、非凡な得点能力を持つ。また、ドライブからキックアウトやカットしていたチームメイトへのアシストとなるパスもうまい。
175cmと決して大きいわけではないが、フォワードとして7月上旬にメキシコで行われたFIBA U17ワールドカップに日本代表として出場。17.1分の出場時間で平均5点、6.3リバウンド。際立ったスタッツではないかもしれないが、初戦で競り勝ったフィンランド戦で13本を記録するなど、「結構手応えがあります」というリバウンドで強さを発揮できる選手だ。
7点差で競り勝った2回戦の大阪薫英女学院では、スコアラーとして34点を記録しただけでなく、19リバウンドを記録。3回戦の鳥取城北戦では21リバウンドを奪っている。準々決勝の京都精華学園戦は、チームとして留学生への対応に苦しんだこともあって9本だったが、30点とスコアラーとしてチームを牽引した。
「やっぱりベスト4に入りたいっていう部分と、一つの目標として(京都)精華と対戦するっていうのが一つの目標でした。そこに行くまではもう何が何でも自分が勝利をもぎ取ると思って、果敢にプレーしていました」
こう話した阿部は、前日に桜花学園でプレーする双子の姉、心愛が1点差で悔しい負けを喫していたことに加え、昨年のウインターカップでも京都精華学園に敗れていただけに、最後までアグレッシブに攻め続けた。試合終了後に一瞬だけ悔し涙が出たものの、大阪薫英女学院戦から3試合、自分のプレーを出し切ったという思いがある一方で、改めて課題が見つかったと阿部は認識している。
「自分の持っている力は出し切ったと思うんですけど、やっぱりペリメターもジャンプシュートもそうですけど、もっとスリーの確率とかも上げていかないと身長の高いチームには対抗できないと思います。ゴール下付近じゃなく、外からのシュートの確率をもっと上げて、強いチームに対抗できるような力をつけていきたい」