一桁国道を走る自転車レース「ツール・ド・ふくしま」初日は市村直生が逃げ切り
一桁国道を走る自転車レース「ツール・ド・ふくしま」初日は市村直生が逃げ切り
9月14日(土)と15日(日)、福島県内の15市町村を舞台に国内最大級の市民ロードレースイベント「ツール・ド・ふくしま」の初日となるレースが午後に行われ、ふくしま240の第1ステージは、残り3km付近で集団から飛び出した市村直生(湾岸サイクリングユナイテッド)がそのまま逃げ切り、優勝した。同時スタートで行われたふくしま80では、小林柊友(岐阜第一高等学校)が総合でも3着に入り、優勝を果たした。ふくしま30では、吉岡勝彦が優勝している。
世界チャンピオン高岡良寛はじめ、全日本女子2位の木下友梨菜もスタート
この日のレースはJヴィレッジ(楢葉町・広野町)をスタートし、沿岸地域を北上、釣師防災緑地公園(新地町)でフィニッシュする85kmのコースで行われた(ショートコースのふくしま30は、途中の福島ロボットテストフィールドからスタート)。 スタート地点は天気予報が外れ、小雨が降る中での出発となったが、ふくしま240のメインイベントには、先日のグランフォンド世界選手権男子45-49歳の部で世界チャンピオンに輝いた高岡亮寛(Roppongi Express)をはじめ、全日本選手権女子エリートロードレースで2位になった木下友梨菜(Bellmare Racing Team)、ニセコクラシック覇者の小林亮(soleil de lest)など、70名を超える選手が参加した。同時スタートのふくしま80にも、JBCFでE1を走る菅田有紀(Promotion x Athletes Cycling)など40名以上が集まり、総勢110名を超える選手たちが小雨の中、午後2時半にJヴィレッジをスタートした。 レースは序盤から、石井雄悟(MAS X SAURUS)や鳴海颯(Vini Monzon – Savini Due – Omz)を中心に積極的なアタックが繰り返された。しかし、集団は逃げを許さず、1人が飛び出しても、吸収される場面が何度も見られた。 集団は一塊のまま29。2km地点のスプリントポイントへ。スプリントポイントは、高山恭彰(MAX SPEED 97)が集団から飛び出して獲得。その動きに便乗する形で石井が再びアタックしたものの、そこからの逃げも決まらなかった。 レースは後半に入り、66km地点のKOMポイントでは、石井や池谷隆太(PARK)、南広樹(TeamZenko)らが前に出てペースを上げたが、集団を大きく分断するほどにはならず、南がKOMポイントを先頭で通過。その後、石井がアタックを仕掛け、集団が追い上げてきたタイミングで、長谷川大(イナーメ信濃山形)が石井を追い越す形で飛び出したが、この動きも長続きせず、集団に吸収された。 レースは終盤、残り3km地点で市村直生(湾岸サイクリングユナイテッド)がアタック。集団はスプリントに備えて温存したかった選手が多かったためか、反応が鈍く、市村はリードを広げた。残り1kmを切り、オーバーパスを下った後のコーナーも、市村はモトジムカーナの経験を活かしてか危なげなくクリア。追い上げる集団を振り切り、タイム差なしで逃げ切って、ふくしま240の初日を制した。 2位には小林亮、3位には北野普識(イナーメ信濃山形)が入った。 37歳の市村は、エンデューロレースを中心に活躍していたが、2022年からJBCFに参戦を開始。初年度からE1で5位に入るなど結果を残してきた。タフなコースやタイムトライアルを得意とし、昨年はツール・ド・おきなわ市民200で10位、ジャパンカップオープンレースでは15位と、ハイレベルなレースでも上位に食い込んでいる。今シーズンも、JBCFおんたけヒルクライムE1で2位、JBCF信州・ながわまちタイムトライアルE1で3位、先週の秩父宮杯でも3位に入るなど好調を維持し、このレースに臨んだ。 同時出走のふくしま80も、ふくしま240のメイン集団と同じくスプリント勝負となり、小林柊友(岐阜第一高等学校)が優勝を飾った。小林は岐阜第一高等学校の2年生で、高体連を主戦場としている選手だ。同校は、元プロの松村光浩がコーチを務めており、卒業生には松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)などがいる名門の強豪校である。 ショートコースのふくしま30は、2人の争いとなり、吉岡勝彦が優勝した。 ツール・ド・ふくしまの2日目は、初日とは一転し、内陸部を南下してJヴィレッジを目指す山岳コースが舞台となる。距離は160km、獲得標高は2300mを超え、国内屈指のタフなコースプロファイルが設定されている。序盤からサバイバルな展開が予想され、目が離せないレースとなるだろう。 レースはYouTubeでもライブ配信されるので、現地に行けないファンも画面越しでレースを楽しめる。ぜひチェックしてほしい。
