第10回ふくしま産業賞 銀賞 ABCクリニック新妻産婦人科(福島市) 妊娠・出産安心提供
地域に密着した周産期医療を提供している。お産の実績は無事故・無訴訟の下、1万件を超え、安心して出産ができる環境づくりに努めてきた。 近年は無痛分娩(ぶんべん)、助産師外来、産後ケア、夜間オンライン診療を充実させ、不妊治療にも取り組んでいる。東京都の浅田レディース品川クリニックと連携し、高度な治療提供体制を整えた。新妻産婦人科は採卵までの注射、エコー、採血、検査、品川クリニックが採卵や胚移植などの治療を担当している。 福島県内では十分な治療を受けられる施設が限られ、県外に通うケースも多いという。希望者らの金銭、時間、身体的な負担の軽減を目指し、約10回の通院のうち大半を新妻産婦人科で対応できるようにしている。 若い世代が将来のために日々の生活や健康と向き合う「プレコンセプションケア」の推進にも力を入れる。卵巣内の卵子の量の目安となる「抗ミュラー管ホルモン(AMH)」や性感染症の検査に対応し、若い頃から正しい知識や自らの体に理解を深める大切さを訴えている。
新妻和雄理事長兼院長(75)の長男で東京都の慶応義塾大学病院に勤める雄介医師(31)が今年8月から非常勤で勤務している。新妻理事長兼院長は「時代に合った取り組みを考え続けたい」と前を向く。 ■メモ ▽設立=1985(昭和60)年 ▽理事長兼院長=新妻和雄 ▽従業員数=25人 ▽住所=福島市陣場町9の18 ▽電話番号=024(533)1103