『キン肉マン』大好き作家・燃え殻×爪切男の先月の肉トーク!! vol.37【コミックス派はネタバレ要注意!】
●ファナティックが完璧超人に下した"下等"の意味 燃 連載のほうだけど......。 爪 7月は第457話~第460話の4回。 燃 第457話は、ファナティックがアヴァランチ・デスロードや終焉のスピア・クロスで、ネメシスを攻めまくる。 爪 マリポーサVSパピヨンマンほどじゃないけど、ネメシスが何をやっても、ファナティックに上を行かれる展開ですね。 第458話でファナティックがネメシスに言うじゃないですか。「どうです 惨めでしょう。力が足りないというのは? あなたたち完璧超人が下等超人の皆さんにやってきたのはこういうことなんですよ? 少しは弱者たる下々の気持ちがおわかりになりましたか~~~っ!」。で、ネメシスはそう言われて、ロビンマスクのことを思い出すという、ここがいいんだよなあ......。 燃 でも、反撃のネメシスドライバーも、ファナティックのマグネット・パワーに阻まれる。 爪 で、マグネット・パワーに対する見解の違いで、ファナティックがサイコマンと同じヤツではないことがわかる。サイコマンはシルバーマンに注意されるまで、マグネット・パワーに頼ってた。 でもファナティックは、ネメシスドライバーを封じるのには使ったけど、「こんな力はね、私の闘いに本来必要ありません」。 燃 前回のこの対談の時は、時間超人ってどのくらい強いのか、完璧超人とはどのくらい差があるのか、何ができて何ができないのか、というのが、まだわからなかったじゃない? 今回は、それが少しずつわかってきた感じがするね。力の差はあるけど、現段階で連載6回分、闘い抜いてるわけじゃない? 秒殺ではない、試合として成立している。 爪 そうですね。ネメシスも劣勢だけど、何もできてないわけじゃない。技を出しているし、食らっても立ち上がってくる。 燃 あまりにも力の差がありすぎると、壊れるじゃない? でも6週にわたって壊れてはいない、というのは、いい試合なんだな、と。で、ファナティックは時間超人の中で、たぶんエース格だよね? 爪 そうでしょうね。 燃 エース格のファナティックとネメシスが闘うとわかった時、すぐ終わりそうだと思ったんだよね。力の差がありすぎて。でもそんなことなかった。ならば他の完璧超人たちの試合も、おもしろくなりそうだなと思える。 爪 459話の大詰めでファナティックが出した全身関節技、ファナティック・ビリーバーロックを観て思ったんですけど。もしかしたら今のプロレス界の流れ、ザック(・セイバー・Jr.)とかの影響を受けたかも。最近プロレス界では、こういう複雑怪奇なサブミッションを使う人が人気というか。『キン肉マン』は、ちゃんとその流れにも乗るんだな、先生は今のプロレスも追ってるんだなと思いました。この技、ザック、使えそうだもんな。 燃 え、使える(笑)? 爪 立ってはできないかもしれないけど、グラウンドだったら。こういう前部の関節を極める技、SANADAを相手に......。 燃 あ、そうか! 観たことある。 爪 両手両足を全部極められて、ギブアップを口で言うしかない状態にする。 燃 バスター系じゃないのがいいんだよね、関節技なのが。そういう技で決まる試合が、僕は好きかもしれない。プロレスでも、『キン肉マン』でも。