『キン肉マン』大好き作家・燃え殻×爪切男の先月の肉トーク!! vol.37【コミックス派はネタバレ要注意!】
■ゆでたまご先生流「伏線回収」を考察 爪 第460話の最後でネメシスが、いちばん触れられたくないタツノリのことを、ファナティックに侮辱されて、怒りパワー全開になって、全身からものすごいオーラを発しながら、額の文字が「KINマーク」になるじゃないですか。 燃 それを見て委員長が泣いて喜ぶ、「あのサダハル様が...とうとう我らの前に帰ってきてくださったーっ!!」。長い伏線の回収がここで。 爪 そう。でも、こういうのを全部理解しようとすると......ネメシスのことも、少年ジャンプの頃の連載しか読んでいない人は、わからないですからね。委員長が泣いてる意味をわかるところまでさかのぼらないといけない。 燃 TVドラマなら、ここで昔の回想シーンが流れるのと同じで......。 爪 泣く委員長のコマ、バックが回想シーンですもんね。 燃 未読の人は、この伏線に当たる過去のエピソードを読んだほうがいいよね。そのほうが絶対におもしろいから。 爪 前に嶋田先生がこの対談に出てくださった時の話だと、作家が伏線と回収ばかりに熱心になる傾向に、懐疑的だったじゃないですか。 燃 うん。だから自分は、先まで考えては書かない、みたいなことをおっしゃっていたけど、でもこの伏線回収、すごいよね。ほんとに先まで考えてなかったのかなあ? 爪 なかったと思います。考えてなくて、描く直前に思いつけるというのが、才能なんだろうなあ。「思いつける」というか、「思い出す」のか。「あ、あのエピソード!」と。 燃 思い出すというよりも、先生自身がずーっと『キン肉マン』の世界にいるんだろうね。だから脳内に、ずっといろんな超人たちの引き出しが並列にある、みたいな。 爪 僕らだと引き出しを縦に積んじゃうから、下のほうに何が入ってるかわからなくなるけど。 燃 横に並べてるから、中身がすぐ見える。全部フラットに存在してるんだろうね、過去の超人や過去のエピソードが。 爪 なるほど。それはいい推察かも。