『キン肉マン』大好き作家・燃え殻×爪切男の先月の肉トーク!! vol.37【コミックス派はネタバレ要注意!】
燃 そういえばこの間、『7人の悪魔超人編』を読み返したんだけどさ。最後にテリーマンがザ・魔雲天(マウンテン)に勝って帰ってくるけど、あの時、正義超人、けっこう死んでるじゃない? 爪 ロビンマスク、ウォーズマン、ウルフマンが死んだ。絶望でしたね、あれは。 燃 みんな負けて全然帰ってこなかったじゃん。ブロッケンJr.が「な...なんてことだーっ!! かえってきたのがオレだけなんて~~~っ!!」って言って、そのあとテリーマンがボロボロになって帰ってきたけど。でもほかの重要人物、みんな負けて死んでる。 爪 ロビンが負けたのも大きかったですよね。 燃 ショックだった。ああいう展開を先生、読者ともに経験済みなので......。 爪 だから今、我々は、敢えて耐えないといけない。過去の『キン肉マン』で、絶望を味わってきたのと同じように......ネメシスが、善戦するけど負けるのを受け止めないといけないのかな、という気になってきますね。 燃 でも僕は、昔はこういう展開でも、「負けないで」と思って読んでたから。今も、「負けないで」で読もうと思う。 爪 (笑)。しかし先生、ほんとかつてのジャンプ黄金期の熱量を保ったままで、描いてくれますよね。 燃 ほんとにそうだよね。 爪 昔、『週刊少年ジャンプ』を読んでいた、子供の頃の気持ちが蘇りますよ! 燃 『ジャンプ』の週刊連載でみんながワクワクして、毎回「次どうなるんだろう」と思いながら来週を待つ、その感じが先生の血肉になっているんだろうね。『週プレNEWS』の連載、月曜0時に更新されるのを、あの頃と同じ気持ちで待ってるもん。 爪 嬉しいですよね。あの『ジャンプ』感を今も『キン肉マン』が持っている、というのが。 ●燃え殻(MOEGARA)1973年生まれ、神奈川県出身。働きながら始めたツイッターでの発言に注目が集まり、作家デビュー。『ボクたちはみんな大人になれなかった』(新潮社)、『すべて忘れてしまうから』(扶桑社)、エッセイ集『それでも日々は続くから』(新潮社)『これはただの夏』(新潮社、8月28日に文庫版発売)、『ブルー ハワイ』(新潮社)など多数の著作がある。最新著は『夢に迷ってタクシーを呼んだ』(新潮社)。ドラマ『あなたに聴かせたい歌があるんだ』(漫画:おかざき真里/扶桑社)はHuluで配信中。出演中のラジオ番組 『BEFORE DAWN』(J-WAVE、毎週火曜26:00~27:00)もチェック ●爪切男(TSUMEKIRIO)1979年生まれ、香川県出身。2018年『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)で小説家デビュー。2020年、同作が賀来賢人主演でドラマ化。『きょうも延長ナリ』(扶桑社)が発売中。集英社発のWebサイト『よみタイ』で好評を博した、美容と健康にまつわるエッセイ『午前三時の化粧水』が来春書籍化予定。ドライバーWebで『横顔を眺めながら ~爪 切男の助手席ドライブ漂流~』を連載中。5月21日には『クラスメイトの女子、全員好きでした』が文庫化、さらに読売テレビ・日本テレビ系プラチナイト木曜ドラマとして、23時59分より同作ドラマが放送中(主演:木村昴) 取材・文/兵庫慎司 撮影/鈴木大喜 ©ゆでたまご/集英社