ひと言で子どものやる気を上げる「声かけ10選」 自己肯定感が高まるポジティブな言葉
小学校の高学年に入っていく10歳ごろは、自己肯定感が下がりやすい時期ともいえます。どうしても友だちと比べて「○○ちゃんはできるのに、わたしはできない」「○○くんももっているから、ぼくもほしい」などといったように、人との比較によって判断したり、浮き沈みをしたりしやすくなります。 学校に行けば同級生がいる。人と比べるなといってもなかなか難しいでしょう。だからこそ、せめてお母さん、お父さんは、だれかと比較するのではなく、子どもの強みや、子どもの目指す目標や目的に向かって歩けるように意識して声かけをしてあげましょう。
「うさぎと亀」の亀のように、自分でゴールを設定できるように導いてほしいのです。その子の特性を伸ばすために、まずはここが第1歩です。 第1回、第2回で紹介したような言葉かけをどんどんして、子どもに肯定感情や肯定脳ができていけば、子どもは自分の目標に向かって着実に歩いていきます。 ■子どもを観察して0.1ミリの成長に気づく 声かけのポイントはもう1つあります。 それは、0.1ミリでもいいから、成長したところを探すこと。結果ではなく、プロセスをほめることです。ほんの少しの成長を伝えるためには、子どもをちゃんと観察して気づいてあげる必要があります。
成長やプロセスをほめるときにやってしまいがちなのが、ほかのだれかと比較してしまうことです。 だれかと比較することがよくないことは知っている親御さんは多いかもしれませんが、たとえばこんなほめ方をしていませんか? 「まだ小学校に入ったばかりなのに、こんなにきれいな字が書けるの? すごいわね!」とか、ピアノの発表会で「あなたがいちばん上手だったわよ」とか、おもちゃを片づけた子どもに、「あなたはいわなくてもちゃんとできるのね」とか。
一見、具体的な友だちやきょうだいと比べているわけではないから、よさそうに見えますよね。 でもじつはこれ、親御さんのなかで無意識にだれかと比べているのです。 こんなふうにほめられたらお子さんは、「きれいな字を書きつづけなければいけない」「ピアノ教室のだれよりもうまく弾きつづけなければいけない」「いわなくてもできる子でいなければならない」と思ってしまいます。 これでは子どもの自己肯定感につながらないどころか、その子はいつも自分をだれかと比較することでしか、自分を肯定できなくなってしまうかもしれません。