月9『嘘解きレトリック』の鈴鹿央士の破壊力が凄い!『silent』の湊斗とはまた違う“優しさ”に胸キュンが止まらない
2022年に大ヒットしたドラマ『silent』(フジテレビ系)で、“主成分優しさ”と称されるくらいに優しい戸川湊斗を演じていた鈴鹿央士さん。わたしは、『silent』を何度も見返している勢なので、「鈴鹿さん=湊斗」というイメージがいまだに定着していました。そのため、現在放送中のドラマ『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)で、自由奔放な祝左右馬(いわい・そうま)を演じている姿を見たとき、「鈴鹿央士の振り幅、すごい……!」と感激したのを覚えています。 【動画】鈴鹿央士の新たな魅力が開花!自由奔放な左右馬が活躍する『嘘解きレトリック』最終話予告 鈴鹿さんが演じる役柄って、“リア恋”ファンを生み出すキャラが多くないですか? 『silent』の湊斗も、『嘘解きレトリック』の左右馬も、ヒロインをまっすぐに思いやってくれる優しい性格で、見ていてキュンキュンしちゃいます。でも、2人とも優しさの種類が少し違っているんですよね。 本稿では、湊斗と左右馬を比較しながら、「優しさとは」について考えていきたいと思います。
湊斗の優しさと、左右馬の優しさの違い
『silent』の湊斗は、“優しくありたい”と思っている優しい人。他人にどう思われるか? をいちばんに考えている印象を受けました。たとえるならば、人から「優しいね」と言われる自分が好き、みたいな。まあ、本当に優しくなければ、そう思うこともないので、結果的に湊斗は優しい人というわけなのですが……。彼女の紬(川口春奈)も「人のために優しさを全力で使っちゃって、自分の分残すの忘れちゃう人」と言っていたように、他人に優しくしたいと思うあまり、知らず知らずのうちにストレスを貯めていないか心配になっちゃいます。 ただ、湊斗ってちょっぴりブラックな部分も持っているんですよね。個人的には、そういう人間らしさをもっと出してほしかった! と思います。 たとえば、湊斗が高校時代に想(目黒蓮)からスピッツのアルバムを借りたとき、なかに「佐倉くんとは、音楽の趣味が合うからうれしい」と書いたメモが挟まっていたようです。そのメモを書いたのが紬だと察した湊斗は、嫉妬心から捨ててしまったらしく……。紬は、「良かった! そんなキモい手紙見られなくて、良かった!」と笑っていたけれど、内心は「捨てたんかーーい!」と思っていただろうな。でも、実際は捨てられずにずっと持っていて、最終的に「挟まってたやつ。ごめん、返すの遅くなって」と想にメモを返すあたりが、湊斗らしい。 湊斗が紬を振った理由が、“優しくできなくなるから”というところも含めて、湊斗はやっぱり他人に優しくしたいと願っている人なんだと思います。だから、行く場所も、食べるものも、観る映画も、全部を紬に合わせてくれていた。 それなのに、別れ際に紬から「女の子にはね、ちょっとくらい優しくない方がモテるよ」なんて言われちゃうのが切ない(でも、真理だったりする)。湊斗は「次の人のとき、気をつける」と返していたけれど、絶対にまた優しくしちゃうんだろうなぁ。 その一方で、左右馬は誰にどう思われてもいいと思っているタイプ。なので、鹿乃子(松本穂香)に対しても“優しくしてあげなきゃ”と考えて優しくしているわけではないんですよね。だから、無理をしていないというか。頭で考えているわけではなく、心で動いている感じ。個人的には、湊斗の優しさもいいけれど、左右馬の方が見ていて安心します。受け取る側も、左右馬の優しさの方が気を遣わずにいられるんじゃないかな。
菜本 かな