<独自>経産省が太陽光発電12社に交付金停止へ 盛土規制法違反の初案件も
経済産業省が法令違反など不適切な行為を確認した太陽光発電事業者12社に対し、近く交付金を一時停止する処分を行うことが22日、分かった。4月に導入した違反解消を促す取り組みの第3弾で、盛土規制法への違反に初めて適用される。早期是正を促し、太陽光パネル設置に対する地域の懸念の解消につなげる。 経産省が交付金を一時停止するのは12社の計19件の太陽光発電事業で、対象の発電出力は4600キロワット、交付金額は月間約1000万円。このうち盛土規制法への違反は1件で、残りは森林法や農地法への違反になる。 盛土規制法違反は自治体の通報を受け、経産省が令和6年度に設置した調査チームの現地調査で判明した。同法では土地造成の際に土砂崩れなどが発生しないよう擁壁や排水施設などを整備する必要があるが、事業者は太陽光パネル設置の際、自治体にこうした申請をしていたにもかかわらず、実施していなかった。 再生可能エネルギー特別措置法が4月に改正され、経産省は悪質な事業者を対象に国の固定価格買い取り制度(FIT)などの交付金を停止できるようになった。4月には林地を無許可開発したなどとして森林法違反で9社、8月には農地を無許可開発したなどとして農地法違反で20社の交付金を停止した。 一時停止していた期間中の交付金は違反状態が解消されれば事業者に戻すため、経産省は違反状態の早期解消につながるとみる。4月に処分した森林法違反のうち2件は違反の解消が確認され、11月中に一時停止措置を解除する予定だ。 太陽光パネルを巡っては、山の斜面を削るなどの設置方法が防災や景観を乱す観点から全国で批判を浴び、トラブルが頻発している。