父が「そんなに暑くないから」と、気温30度越えでも冷房をつけません。「熱中症」が心配なのですが、日中つけっぱなしでも“電気代”はそこまで高くなりませんよね? どう伝えればよいでしょうか…?
人によっては「そんなに暑くないのに電気代がもったいない」と、気温が30度を超えるような日でもエアコン(冷房)をつけないということもあるかもしれません。とは言え、特に高齢の家族がそのように言っていると心配になるものです。 実際、エアコンは気温が何度くらいであればつけるべきなのでしょうか? 本記事では、2023年の熱中症の救急搬送状況に触れたうえで、エアコンは気温何度くらいからつけるべきなのか、日中エアコンをつけっぱなしにした場合の電気代はいくらかなどについて解説します。 ▼エアコンを「24時間」つけっぱなしだと、電気代はいくらかかる? 1ヶ月の電気代を試算
熱中症の救急搬送状況
総務省によると、2023年5月から9月の全国における熱中症による救急搬送人員は9万1467人で、調査開始以降2番目に多い搬送人員でした。 また、年齢別の救急搬送人員を見ると、65歳以上の高齢者が半数以上を占めています。さらに、発生場所別を見てみると、住居が最も多く、熱中症により救急搬送された人の4割近くが住居からの搬送です。 これらの点から、特に高齢者については、たとえ家の中にいたとしても、十分熱中症に気をつけるべきと言えるでしょう。
エアコンって何度くらいからつけるべき?
「熱中症対策としてエアコンをつけることが大事」ということは分かっていても、実際に何度くらいの気温からつけるべきなのでしょうか? 夏にエアコンを何度からつけるべきかは、人や場合によって変わりますので一概には言えません。ただ、一般的には「28度以上」というのが一つの目安です。28度は環境省がエアコン使用時に省エネの観点から室温を28度にすることを推奨していることもあり、一つの基準とされています。 ただし、例えば乳幼児がいて、明らかに暑そうにしている場合などは、この温度よりも低くてもエアコンをつけた方が良い場合もあります。「28度」というのは、あくまでも目安として認識しておきましょう。
日中エアコンをつけっぱなしだと電気代はいくらくらいかかる?
エアコンをつけない理由として、「電気代が気になるから」という人もいるかもしれません。仮に日中(9時~18時)にエアコンをつけっぱなしの場合、電気代はいくらくらいになるのでしょうか? エアコンの1時間当たりの電気代を計算する際の計算式は次のとおりです。 消費電力(キロワット)×料金単価(円/キロワットアワー) 「消費電力」とは、電化製品が消費する電力のことです。通常「W(ワット)」が使われますが、エアコンの場合は消費電力が多いため、1000ワットに当たる「kW(キロワット)」が用いられることもあります。 エアコンの消費電力は商品によって異なりますが、今回はダイキンのRシリーズの10畳用(AN284ARS-W)の550ワットを基準とします。 「料金単価」は電気料の単価のことで、地域や電力会社によって異なります。なお、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会によると、全国の電力単価の目安は31円/キロワットアワーです。今回はこの単価を用いて、電気代を計算します。 ここまでの前提で、日中(9時~18時)にエアコンをつけっぱなしにした場合にかかる1日の電気代は次のとおりです。 0.55キロワット×31円/キロワットアワー×9時間≒153円 1日153円ですので、1ヶ月(30日)に換算すると4590円です。 決して安い金額ではありませんが、命にかかわる熱中症の予防と快適な生活のためなら、高すぎるというわけでもないでしょう。