日本三大奇祭「御柱祭」は本当に“奇妙”な祭りなのか?
しかし、「式年造営」という観点に立てば、山から切り出した材木を曳いてくる根拠と目的ははっきりしているし、斜面を利用して「落とす」ことや、最短ルートを選んで「川越し」するのは、巨大なものを人力で運ぶ方法として理にかなっていると思う。そして、地域の絆を結ぶという今の世で重視されている主旨においても、ご神木を運ぶという共同作業がその目的にかなっているのは、老若男女の氏子たちの晴れがましい表情を見れば明らかだ。 そういうわけで、外から来た僕から見ても、御柱祭は近くで見れば見るほど、「奇妙」ではなかった。だから、次の機会にはもっと積極的に参加できると思う。
----------------------------------------- ■内村コースケ(うちむら・こうすけ) 1970年生まれ。子供時代をビルマ(現ミャンマー)、カナダ、イギリスで過ごし、早稲田大学第一文学部卒業後、中日新聞(東京新聞)で記者とカメラマンをそれぞれ経験。フリーに転身後、愛犬と共に東京から八ヶ岳山麓に移住。「書けて撮れる」フォトジャーナリストとして、「犬」「田舎暮らし」「帰国子女」などをテーマに活動中