"高温多湿"の沖縄でも断熱リフォームは必要? 地域の気候と文化の難題向き合い光熱費42%削減!?
気密性の高さは沖縄で受け入れられるか
沖縄ではまだ目新しい全館空調・断熱リノベマンション。ほこりや排気ガスの侵入や、騒音なども防ぐことができ一石二鳥なのですが、沖縄の文化になじむか否かはこれから検証が必要です。 沖縄では風水を重視する傾向などから、ドアや窓を開け、通気性がよいことを好む人々も少なくありません。夏場であっても玄関や窓を開け放しているご家庭も見受けられるのですが、全館空調を取り入れた物件で同じことをしてしまうと、空調が効かなくなるだけでなく、外気からの湿度の影響を受けてフローリングや家具などにカビやたわみなどの影響が出てくることも考えられます。 一方で、中国本土の一部や香港などでは、通年でエアコンをかけ、気密性が高い居室を好む地域もあります。これはSARSや大気汚染などの影響で、頻繁に換気で外気を取り入れるよりも、同じ空気を、フィルターを通して循環させたほうが清潔である、という考え方があるためです。沖縄の物件は外国人にも人気。全館空調・断熱の家はこうした地域出身の外国人には好まれるかもしれません。 「弊社でも初めての試みですが、今後も上がり続けるであろう光熱費に対する、1つの提案になればと思っています」(德里さん) 新たな試みは沖縄の人々に受け入れられるのか、注目していきたいと思います。 ●取材協力 アーキラボラフィット(RENOBEES)
富谷瑠美