"高温多湿"の沖縄でも断熱リフォームは必要? 地域の気候と文化の難題向き合い光熱費42%削減!?
リビングに面した窓も、二重サッシで防音もバッチリ。部屋は大通りに面していて、日中は車通りもありましたが、音はほとんど気になりませんでした。樹脂製の内窓は、室内の木目調のインテリアともマッチしています。 居室は全てフローリング材で統一されていますが、この床材は本州で使われるものと同じ木材です。
「通常、沖縄では湿気に強いチークやメルバウなどをフローリングに使用します。反ったり膨張したりしにくいのですが、独特の赤みがでてしまうんです。しかし、全館空調であれば湿度も管理されていますから、そういった心配もありません。床材の選択肢が広がると、選択できるインテリアの幅も広がりますよね」(同) 気になる光熱費について、全館空調・断熱の導入前後を比較してみましょう。 アーキラボラフィット(RENOBEES)の試算によると、導入前の年間の光熱費は月額平均約3万7,067円(年間44万4,804円)。導入後は月額平均2万1,615円(年間25万9,378円)と、約42%の削減効果が見込まれるそうです(平均外気温22.9℃で計算)。
一方、断熱工事を含め、かかったリノベーション費用は1300万円。全館空調システムの200万円を合わせて、計1500万円の初期投資が必要です。 今回は自社施工だったため、補助金などを活用することはできませんでした。 一般の方が同じリノベーションに取り組む場合には、国の制度である「住宅省エネ2024キャンペーン」の中の①質の高い住宅ストック形成に関する省エネ住宅への支援(仮称)の「住宅の省エネ改修」に該当する場合は1戸あたり上限20~30万円(30万円は子育て世帯・若者夫婦世帯)。子育て世帯・若者夫婦世帯が既存住宅購入を伴う場合には、1戸あたり上限60万円の補助が受けられます。 窓については、同補助金「先進的窓リノベ2024」の要件に該当した場合は、工事内容に応じて定める額(補助率1/2相当等、上限200万円まで)、また「子育てエコホーム」の要件に該当する場合は、最大20~60万円の補助が受けられます。 また、沖縄市在住の場合は「沖縄市住宅リフォーム支援事業補助金」の中の「バリアフリー・省エネ等改修工事」で施工金額のうち、最大25%(上限20万円)の補助金を受け取ることができる可能性があります。