【ONE】おたつロック誕生秘話から1年4カ月ぶりの復帰戦まで──和田竜光「前田吉朗戦の時に」「バリエーションは増えています」=7月6日(土)
2024年7月6日(土)朝9時からタイ・バンコクのルンピニースタジアムで開催される『ONE Fight Night 23: Ok vs. Rasulov』(U-NEXT配信)ONEフライ級で、和田竜光(日本)がシェ・ウェイ(中国)と対戦する。 【写真】DEEPでの前田吉朗戦。バック4の字で敗れた、この試合から改良し自身のモノにした 2021年10月に竹中大地、2022年1月にワン・シュオを判定で下し、2022年6月にカイラット・アクメトフに判定負けも、2023年3月にアーネスト・モンティーリャにリアネイキドチョークで一本勝ち。以降、契約が切れていたことで試合から遠ざかったが、今回、晴れてのFight Nightシリーズ出場で継続参戦が決まった。 カーフキック以前の長倉キック、デメトリアス・ジョンソンに仕掛けたおたつロック、MMAムエタイ&柔道とクリエイティブな技で40試合を戦ってきた和田は、1年4カ月ぶりの試合で何を見せるか。 ◆おたつロックは押さえ込みの一つ、そこから極め技に繋げていく ――今回の試合に向けた練習環境はこれまでと変わりないですか。強化した部分なども。 「そうですね、とくに変わったことはなくて、いつものTRIBE TOKYO MMA、ロータス世田谷、TRI.H studio、角海老宝石ボクシングジムですね。特に強化した、ということは一切無くて。もちろん相手をイメージして“こうなったらこうかな”というのはありますけど、変わった対策などはありませんね」 ――和田竜光選手といえば“おたつロック”ですが、先日の平良達郎選手の試合で一気にその名が世界に広まって。たしかおたつロックにはそもそも様々なバージョンと派生形がありますよね。 「そうですね、3つですかね。まず、おたつロックの入りと、あと入ってからの形、4の字にフックを組んで足裏にというのと、あとはそれで相手が対応してきたときに移行する押さえ込み。それから最近だとツイスターをやったりとか、おたつロックというのはあくまでも押さえ込みの一つ。そこから極め技に繋げていくという流れなので」 ――バックテイクから足の入りのセットアップがあって、ヒザを狙うというよりポジショニングコントロールからツイスターなどの極め、トラックポジションにも移行できる。そもそもあのが形が生まれた瞬間というのは……。 「生まれた瞬間は覚えていないんですけど、元を言うと、僕があのバックをやりだしたのは、23歳のときにDEEPで前田吉朗選手に負けて、そのときに4の字バックからバックチョークで負けたんです。これはいいなと思って。それからけっこう採り入れるようになって、そこから、いつ見つけたのかは分からないんですけど、4の字バックから『おたつロック』と呼ばれるようになったというか、僕が呼び始めたんです(笑)。最初はもちろん名前はついてなかったんですけど、これはいいなって、だんだんやり始めていろいろな人に仕掛けて、『これどうなってるんですか?』みたいな感じで、他に周りに誰もやっている人もいなかったので、こりゃ俺が最初にやってるなって気づいたって感じですね」 ――なるほど、あのとき前田吉朗選手がボディトライアングルから二重がらみをして、最後は和田選手をリアネイキドチョークで極めた。その試合から和田選手が採り入れ、変化を加えて、あのデメトリアス・ジョンソン戦で大きく脚光を浴びた。 「おたつロックからツイスターとかも途中から見つけてよくやるようになって、いろいろな人が真似してくれて、TRIBEの後藤丈治だったり、黒部(和沙)くんが修斗で極めたりしてくれて、ありがたいです。僕が練習でやっていることを広めてくれてというか、いい武器にしてくれて」 ――黒部和沙選手が澤田龍人選手を極めたとき、会場で長南亮代表にTRIBEの十八番ですね、と聞いたら「あれはワダタツだよ」って。 「はい。ありがたいです。練習でやるから黒部くんもよく聞いてくれるので」 ――そして、平良選手がアレックス・ペレスに極めて煽ったことで、最後は負傷した。アルジャメイン・スターリングが「ヘンゾロックはよく使うけどあそこからの怪我は──」と発言しましたが、かけられると分かりますが、対角に足を入れるだけでなく、おたつロックでの煽りは相当負荷かかりますね。 「そうですね。あれけっこう起こり得る事故なんですけど、狙ってあれで極められるかというと、相手の対応もあるので。ただ、ああいう事故は起こりやすい動きではありますよね。アルジャメインも、『それで一本取れるんだったら俺も使うぜ』みたいな感じだったんですけど、相手のリアクション次第でああなっちゃうよと。タップ遅かったら怪我するよ、みたいな感じですね」