CGアニメが大反響!ロッテの挑発広告はいかにして生まれたか?
ロッテが日本球界初の挑発ポスターをスタートしたのが2005年の開幕戦前だった。本拠地で球界再編問題で誕生した新球団の楽天を迎えることになった激動の年だ。文字だけのキャッチコピーで、「パリーグの主役、3月までご苦労様でした」「あなた達があれこれ話題を作っていた頃、ボク達は黙々とカラダを作っていました」「地元ファンのためにも、初勝利はぜひ仙台でどうぞ」などと挑発した。 「話題は楽天ばかりでした。なんとかその話題をロッテに向けることができないか、と考えたのが発端でした。球界再編の動きから、プロ野球界全体、特にパ・リーグになんでもやってみよう、というチャレンジの風が吹いていたので、できたのかもしれません」とは、梶原広報。メジャーでは、挑発ポスターやTシャツのようなものは、ずいぶんと前から行われていたプロモーション手法。相手を批判、挑発する風土は、日本の文化には馴染まないと思われていたが、当時のバレンタイン監督の理解もあってロッテは果敢に挑戦した。 予想以上に反響が大きかったため、交流戦でも挑発シリーズを採用。ここからロッテの挑発広告は、恒例のプロモーションとして定着したが、劇画調のシュールなアニメを使った2008年の交流戦を最後に4年間、挑発広告は休止している。 「マンネリ化がありました。ちょうど、その年、パが交流戦で負け越したこともあって」と、梶原広報。 ファンからの要望も根強く、2013年から再開したが、そのときは、相手チームの中心打者にターゲットを絞ってブラックジョークで攻撃するというシリーズだった。 「強風のためブランコ乗りは禁止します」が、横浜DeNA編。中日編は、当時の主軸だったルナをもじって「眠った竜に脅えルナ!」とやった。 2014年は、チームマスコットのマーくんを登場させて、腹黒発言をさせるという、これまたシュールなコンセプト。例えば阪神編は、「マーくんと、マートン、名前も似ているし仲良しだけど…今年はイジワルしちゃおうかな」。昨年はプロレスラーシリーズで、さらにビジュアル化路線を進め、そして挑発シリーズは2016年にアニメロボットをCGアニメ映像で展開させるという新たな章を迎えることになった。 「コピーが過激すぎるとファンから批判が出るし、逆に緩いとつまらない。怒られない程度に過激という落としどころが難しいんです」。 コピーライターの原案を元に、あれこれと文言を修正していくが、球団サイドにも悩みはある。