CGアニメが大反響!ロッテの挑発広告はいかにして生まれたか?
ロッテが交流戦に向けて作成した新しいキャラの非交流戦士「マジワラン」と、一連の「挑発CGアニメ映像」が大反響を呼んでいる。プレイボールの直前にQVCマリンのビジョンに映し出される1分弱のものだが、阪神バージョンでは、機動戦士「ガンダム」ならぬ非交流戦士「マジワラン」が、QVCマリンに現れた、震えているトラ型ロボットの尻尾をつかんで、グルングルンと回すというロッテファンにとって痛快な内容。 キャッチコピーも「虎ブル発生、本当に強いの? ハンシン半疑」と、こちらはエヴァンゲリオン風。実際そのコピー通り、藤浪が打球直撃で緊急降板するなど、虎ブル発生で3タテしてしまった。 今日、10日から始まるヤクルト戦のバージョンは、ヤクルトのマスコット、つば九郎もどきの敵ロボットをマジワランがむんずとつまみ、ひきちぎって分解してしまうというものだ。キャッチコピーは、「クロウいらず?! 100倍パワーで白星がいとも簡単に」。CGアニメ映像は、本拠地で行う広島、阪神、ヤクルトの3球団分だけ作られたが、いずれも球団HPから見ることができる。 しかも、この近未来ロボットの「マジワラン」が精密によくできていて、メディアの問い合わせが殺到していることも手伝って、球団は随時、悪乗りしてスペックなどの情報を公開している。 「全長は98メートルで体重2120トン。駆動時間は7分。武器は積まれておらず。バットは飾りでとても柔らかく軽い素材で出来ていて、芝に置いても問題がない。環境に優しい電動式でQVCマリンフィールドの地下空間に海水を導き、そこから動力を得ている」そうである。「どこかの玩具会社がプラモデルにして販売してもらえれば嬉しいんですが」と、球団サイドはさらなる展開を検討中だ。 例年は挑発ポスターだけの展開だったが、CGアニメ映像を使ったことで反響が大きくなった。企画の責任者でもある梶原紀章・広報グループチーフも、「ガンダム、マジンガーZ、エヴァンゲリオン、タイムボカン、マクロス、これらの人気アニメシリーズをモチーフにしながら、アニメでよくある次回予告風に作成したものです。精密ででかくて強そうなロボットが、逆に弱そうで小型の敵ロボットを簡単にやっつけるというコンセプトになっています。CGアニメの映像があることで、テレビの朝の情報番組から昼のワイドショー、夜のニュース番組まで、幅広く取り扱ってもらい、球団HPのアクセスのアップも含めて、例年以上に反響が大きいです」と、球団の狙いが想定以上にはまってニンマリである。 2月のキャンプ中に最初の企画会議がもたれ、製作会社の提案などを土台にプランを練った。相手球団を寿司に例えるバージョンや、ビーバップハイスクールをパロディにした不良編、NHKの人気ドラマ「真田丸」にひっかけた戦国武将バージョンなど、様々なアイデアが挙がったという。 梶原広報に経緯を聞く。 「当初、言葉だけのコピーでいく挑発ポスターへの原点回帰を考えていたんです。ただ、昨年はプロレスラーをイメージしたものが好評だったので、ビジュアル路線の継続も検討しました。球団スタッフ、製作会社、コピーライター、イラストレーターを交えて企画を練りこむ中で、ロボット対決のコンセプトが出てきて、CGアニメ映像も作れるという話も出てきたので、その展開は初めてなので面白いかもとなったんです」