読んでるだけで唾液と食欲が止まらない! 年末年始のイッキ読みにオススメしたい美味しい「グルメ漫画」5選【書評】
そこで海老塚は蟹原の過去を聞いているうちに、気づくと同居を持ちかけていた。はじめは困惑していた蟹原だったが、彼の事情に理解を示して受け入れることに。それを機に海老塚は台所へ立つことを覚え、料理を得意とする蟹原からレクチャーを受けつつ人生を見つめ直していく――。 初老にして、初めて料理に挑戦し始める海老塚。はじめは失敗も多かったが、蟹原のレクチャーも相まってどんどん成長する。二人が完成した料理を食べながら笑顔を浮かべる様子には、思わずニッコリしてしまうはず。初老男性二人が再び立ち上がっていく姿は、きっと読者に勇気を与えてくれるに違いない。
働く男たちがグルメへのこだわりを語り尽くす『男の食談義』
人間誰しも、食べ物には一家言あるもの。ご飯にシチューはアリかナシか、カップ麺は時間通りか早めかなど……きっと一度語り出したらキリがないだろう。そんなグルメにまつわる熱い議論を繰り広げていくのが、『男の食談義』だ。 同作はとある清掃会社を舞台に、中年男性の源さんや30代半ばの兄(アン)ちゃんをはじめとした働く男たちがグルメ談義を繰り広げていく。1話完結型で物語が進行し、エピソードごとに一つのテーマに沿って源さんたちが熱弁をふるう。
例えば第1話は、トーストをテーマにした議論が展開される。食パンをトースターなどで焼くだけのシンプルな一品ではあるが、何やら男たちには並々ならぬこだわりがある様子。焼き加減はどのくらいか、ポップアップトースターを使うのかオーブントースターを使うのかなどなど……。普段はなんとなくトーストを焼いている人も、このエピソードを読んだら自分でも気づかなかったこだわりを発見できるかもしれない。 ほかにも、立ち食いそばの楽しみ方やカレーライスにレーズンはアリかナシか問題などニッチなトピックが登場するので、我こそはグルメだという人は同作を手にとって議論に参戦してみては? 作者の食に対するこだわりが全面に出されるグルメ漫画。年末年始の暴飲暴食には気をつけたいところだが、今回紹介した作品を読みつつ、いつもと違う「食」にチャレンジしてみるのもいいかもしれない。