介護業界の人手不足解消の切り札?正社員ではない「パート介護士」という働き方の「意外な可能性」
介護職は正社員よりパートがオススメな理由とは
さかもとさんは、現在パート介護士で月10日勤務し、社会保険や税金が引かれて手取りは250,000円ほどになります。パートにしては高待遇と言えますよね。 そして、空いてる日や時間に単発バイトで働いています。その上でさかもとさんは、介護職は正社員勤務より無期雇用勤務(パート)の方がオススメと断言します。理由は下記の1~4です。 1、介護業界は正社員の副業を禁止する事業所が多いイメージですが、無期雇用なら自由に副業できる可能性が高い。 さかもとさんは、単発バイトのアプリを推奨しています。 2、1人が複数の介護施設で働くことが可能になって介護業界の人手不足解消にもつながる。 3、正社員とほぼ同一で有給休暇や社会保険など福利厚生がある。 4、介護業界は一部を除いてポストが少なくキャリアップがしにくく昇給が少ない。せいぜいフロアリーダー→主任→施設長ぐらい。なので、正社員でわずかな昇給で施設長するよりパートで自由に働いた方が自由で生産的。
Youtuberパート介護士が発信を続ける理由
さかもとさんは、Youtubeチャンネル「ままる介護士チャンネル」で「今の介護業界を変えれば日本の未来は変わる」をモットーに、ここでしか聞けないような経験談やノウハウなどを発信しています。チャンネル登録者数は約3万人を記録(※原稿執筆時点)。 「介護福祉士の本音、高齢者の皆さん介護施設入居は地獄です」は、29万回再生、「なぜ介護施設に入ると急激に認知症が進行するのか? 老人ホームに入居した利用者を実際に介護してみて感じた本当のこと」は19万回再生を記録するなど、介護分野で人気沸騰中のチャンネルです。 「介護業界の現実や未来をなるべく情報公開した上で、若い介護職の人たちに私のチャンネルを参考にしてもらってどんどん発信してほしいです。若手の介護福祉系のYoutuberが輩出されるきっかけになればと考えています」(さかもとさん) 筆者は30歳過ぎから長年、認知症祖母の孫介護を経験しました。その中で介護士の存在は欠かせませんでした。介護初期の頃は、介護施設に行くのを拒み続けたもののある介護士のおかげで家より介護施設を選ぶようになったくらいです(詳細は拙著『おばあちゃんは、ぼくが介護します。』にて)。 パート介護士という働き方によって、介護士の方々がより柔軟に働ければと思います。 ---------- 奥村シンゴ 宝塚在住。「ヤングケアラー」、「就職氷河期ケアラー」、「ひきこもり」を経験。現在、介護・福祉担当ライター、関西経営管理協会講師、ケアラー・ひきこもり伴走支援団体「よしてよせての会」代表を務める。NHKおはよう日本、読売新聞などメディア多数出演。 著書『おばあちゃんは、ぼくが介護します。』国際ソロプチミスト賞受賞者。 ツイッター @okumurashingo43 ----------
奥村 シンゴ(ケアラー評論家、「よしてよせての会」代表)