【広島の最強みやげ】一生モノの調理器具!『santo』で世界に一つだけの鉄フライパンを鍛造してきた
●一生のうちに鉄フライパンを買うことはあっても、作る機会はまずないと思います。それが叶うガチの工場が広島県福山市・鞆の浦にある『santo』。実際に行って、世界に一つだけのフライパンを鍛造してきました。
広島県福山市の鞆の浦(とものうら)といえば、かつて中国地方最大の港町として栄え、中世の頃から、刀や盾などをつくる「鍛造(たんぞう)」の技術が発展した土地。 santoの鉄フライパンの画像を見る 明治・大正期には、この鍛造技術を使った船の錨(いかり)の製造でも日本一の生産量を誇りました。しかし令和の今、さまざまな技術革新の影響で、鞆の浦に残る錨の製造工場はわずか数軒を残すのみとなっています。 ところが今この街で、その錨の鍛造技術を応用し、現代のライフスタイルに合わせたオリジナルの家具や調理器具などを手掛ける気鋭の鉄鋼メーカーが話題を集めています。それが株式会社 三暁(さんぎょう)です。
2022年夏に同社が立ち上げたフラッグシップショップ『santo(サント)』は、“道具を作って、使う”をコンセプトに、家具ブランド「TAonTA(タオンタ)」やアウトドアブランド「cocinero(コシネロ)」のプロダクトを展示・販売。
さらにこの『santo』で特に人気なのが、「鍛造体験」です。 これは自分で選んだ鉄素材をベースに、鉄製のフライパンなどを実際に鍛造できるというもの。多くの人にとって、人生でフライパンを買うことはあっても、作ることはまずないはずなので、かなりレアな体験と言えるでしょう。しかも製品には好きな英字・数字を刻印も刻んでもらえるというおまけ付きです。
ヘルメットやゴーグル、専用のデニム製作業エプロンを装着後、『santo』の隣にある工場に移動し、工程の説明を受けたら、いよいよ鍛造スタート! 工程は大きく分けて4つ。素材となる金属を選ぶ、焼く、叩く、刻印です。
まずは事前に選んでおいた金属(今回は鉄)を、スタッフさんがコークス炉で1000℃以上に加熱してくれます。鉄はもう真っ赤っ赤の状態です。
それを、熱いうちにハンマーでガンガン叩いて成形していきます。この叩く、というのが「鍛造」のキモ。日本刀と同じようにトンテンカンと槌で叩いて成形するとともに、強度を上げていくのです。 鉄が冷めたらまた再加熱。これを繰り返すこと数回で、徐々に理想のかたちに近づいていきます。