板橋の3億円豪邸、17歳長女がデビュー…辻希美(37)はなぜママタレとして成功したのか? 大炎上した“15年前の事件”でみせた「賢すぎる対応」
「反論しない」「反応しない」「悲観しない」
世間に対して「反論しない」「反応しない」「悲観しない」。ただただ幸せな食卓のどこかにウィンナーを登場させる。それが3億円ともいわれる豪邸を呼び込み、YouTubeでの推定収益は600万円、アメブロからも700万円、アパレルや化粧品、テレビへの出演料などを加えれば年収2億円超と囁かれるほど、ドーンと稼ぐ板橋の女を誕生させました。まさにママタレ界の東の正横綱。
なぜ辻ちゃんはママタレとして成功したのか?
そもそもママタレントとは非常に矛盾と欺瞞をはらんだ肩書きです。「仕事」というのは常になんらかの契約と社会的責任を負うものですが、ママタレントにおいては「家族に何かあったら、仕事なんか投げ出して駆けつけます。だって私にとっては家族が一番なので……」とうっとり『たまひよ』などで語らなければいけない。つまり仕事を投げ出すアピールが、仕事への訴求ポイントになるという、ホヤが自分の脳みそを食べながら成長するみたいな摩訶不思議な論理で成り立っているジャンルなのです。 辻ちゃんのママタレとしての成功は、その欺瞞をいかに上手にうやむやにするかにありました。それを可能にしたのが「ブログ」や「動画」という「テクノロジー」です。 辻ちゃんはテレビのスタジオでもなく、コンサート会場でもなく、自分の家をステージにしました。カメラを置き、料理を作る。子どもたちとの他愛もない会話を撮影する。ダイニングで日々の子育ての悩みや苦労を吐露する。その様子をYouTubeにアップすれば、たくさんの視聴者が共感し、コメントを寄せる。この世に2億稼ぐ専業主婦など存在しないと思いますが、動画というテクノロジーは辻ちゃんを「専業主婦」として見せてくれるのです。動画を最初に発明した人もまさか辻ちゃんがこの技術を最も巧みに使うとは思ってもみなかったでしょうね。
数々の炎上を乗り越えて……
もちろんテクノロジーだけではありません。自分はみんなと同じ専業主婦であるとカメラの前で演じ切る辻ちゃんの胆力も重要。顔を出さないとはいえ、家族を動画に登場させることにはたくさんの批判があったことでしょう。そこは数々の炎上を乗り越えてきた辻ちゃん、自身のメインチャンネル、夫とのカップルチャンネル、長男と次男のみが出演するチャンネル、そして今回デビューした長女の『希空ちゃんネル』と、まさに令和の家内制手工業。「嘘」の世界を「ホント」に見せるため、リアリティとはサンプル数の多さが醸し出すことを辻ちゃんは本能で悟っているのかもしれません。