木村拓哉「コロナ渦をどう過ごしていたのかを描くことは必要だと思ったんです」『グランメゾン東京』インタビュー
◆今回のスペシャルドラマや映画では若手シェフたちの成長も描かれていますが、木村さん自身が後輩の方たちから成長を感じ、影響を受けたことはありますか? みんな素晴らしい努力をし、行動に移してるとは思うんです。でも、そういう方たちの姿を見て、自分が何かするということはないかもしれません。自分に対してちょっと特別な感情、それこそ「ご一緒できてうれしいです」みたいなテンションをいただくことで、その「うれしいです、光栄です」の上に行きたいという気持ちはありますけど。(共演が)終わった後に、“コイツ結構つまんねぇわ”って思われたら最悪ですから。それが影響と言えば影響なのかな。 ◆では『グランメゾン東京』という作品から、ご自身が受けている影響はありますか? 料理に対してそこまで興味や熱量のない方たちからすると、ミシュランガイドで三つ星を取ることの価値や選ばれることの名誉や責任なんて、他人事だと思うんです。自分も『グランメゾン東京』をやらせてもらうまでは、“「ミシュラン」ってタイヤですよね”って解釈でしたから(笑)。でも尾花を通して、他の共演者やスタッフと共にちょっと特別な価値観や世界観を煮詰めていく過程は楽しかったし、料理というものに対して高い熱量とモチベーションを持ち、ものすごいストレスと向き合いながらも取り組んでいる方たちの存在も知っていきました。その中で、「ミシュラン」というものの響きも変わってきて。ある意味、食べる前の「いただきます」に対する思いもちょっと変わったかもしれません。添え物の野菜から何から何まで“全ての命をいただいてる”っていう。一つの作品としても非常に面白く価値のあるものでしたし、共演者やスタッフも含め、僕にとっての宝物の一つになった気がします。
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