熊本城内の神社に飾る『清正公の天井画』 「熊本の力に」迷いなく描き上げた画家・井上文太 “魂の作品”
熊本放送
2025年4月、戦国武将・加藤清正を主祭神とする熊本城内の「加藤神社」に、巨大な天井画が飾られます。 【写真を見る】熊本城内の神社に飾る『清正公の天井画』 「熊本の力に」迷いなく描き上げた画家・井上文太 “魂の作品” 9月17日、加藤神社の拝殿に飾られる天井画が届けられました。メインの部分全て合わせると高さ4.6メートル、横3.6メートルほどの巨大な作品です。 描かれているのは、加藤清正公。 加藤神社は熊本地震で被災しましたが、創建150周年を迎え、創造的復興の象徴として百年先にも残るような天井画を飾ることにしたのです。 加藤神社 湯田崇弘宮司「清正公が『後の世のため』という言葉を繰り返し使われた。後の世のために今何ができるかを考えた時(天井画は)意義があるもの」 ■「みんなの宝に」大胆かつ繊細に描き上げる この天井画を描いたのは、千葉にアトリエを構える画家、井上文太(いのうえ ぶんた)さん。大胆さと繊細さ、躍動感と存在感にあふれる作品を世に送り出すアーティストです。 熊本地震以降、「熊本の力になりたい」と思いを寄せていた井上さんは、加藤神社の天井画を手掛けたいと申し出ました。 2年あまりの構想を経て、今年6月から実際に書き始めると、2か月ほどで一気に仕上げたといいます。 画家 井上文太さん「無我夢中で描いて、一回も迷いがなかった。18時間描いている日もあったぐらい」 特に精緻さを求めたのは清正公のひげ。実際の毛髪のように細かく描き上げました。 作品のモチーフが熊本県民にとってなじみ深い清正公とあって、井上さんは責任の重さを感じたと言います。 井上さん「みんなの宝になるように描くのにプレッシャーでした。でも負けないと思います」 ■「絵を見て初めて涙が出ました」 作品を初めて見た時、加藤神社の湯田宮司は。 湯田宮司「絵を見て初めて涙が出まして、心が震えたというか」 作品の根底にあるのは「平和と共生」。虎が寄り添う清正公の表情は「懐の深さ」を感じさせます。 湯田宮司「虎退治の伝説がある人なのに、虎が寄り添っている。いがみ合うばかりではなく、お互いに寄り添う、思いやりを持つ、そういったことを感じてもらえれば」