3位は篠田麻里子、2位は深澤辰哉(Snow Man)、1位は…国内ドラマ「2024年俳優ランキング」男女混合ワースト10
■私生活でいろいろあったもんねぇ 3位 篠田麻里子 「頑張っている」感が前面に 私生活でいろいろもろもろあって、再起をかけて挑んだ「離婚しない男」(テレ朝)で演じたのは、元アイドルで専業主婦の役。 新聞記者の夫(伊藤淳史)を邪険に扱い、愛娘を芸能界に入れるために奮闘するステージママ……というか、芸能事務所のマネージャー(小池徹平)とどっぷりがっつり性行為に溺れるという役どころで話題を呼んだ。 コメディであり、鬼嫁で色欲に溺れる不倫妻の役なのに、笑いも欲情も生み出せず、ただただ「必死に頑張ってるなぁ……」と憐憫を誘うのみ。 また、「潜入兄妹」(日テレ)では中盤に登場、犯罪組織から送り込まれた刺客という役どころだったが、これはこれで迫力が足りず。頑張っているのが前面に出ないように頑張ってほしい。 ■不倫に至る熱量が足りないよ 2位 深澤辰哉 ぎこちない無表情 「わたしの宝物」(フジ)で、松本若菜と田中圭が不仲の夫婦、そこに間男として入る役なのだが、間男にしては力不足。優しくて思いやりがあるというのはぼんやりわかるのだが、いかんせん表情が乏しくて、ぎこちない。新たなる鉄仮面伝説の始まりか。 それにしても、不倫に至る熱量が足りない。元カレではなく、若菜の中学時代の幼馴染という設定だが、精神的な年齢差すら感じさせた。 偶然再会して、夫のモラハラに悩んでいた若菜を優しく包み込む。昔から思いやりがあって、寄り添って癒してくれて……でも避妊はしない。え、優しさって何? 「托卵」というテーマが強いだけに、優しさだけでは説得力が出ず。
■「アイドル→役者」のジレンマがここにある 1位 二宮和也 不機嫌の壁 2018年のSeason1で無愛想・威圧的・傲慢な凄腕心臓外科医・渡海を演じ、今年のSeason2では流暢にしゃべくり倒す強欲な心臓外科医・天城を演じた「ブラックペアン」(TBS)。 髪の色は違えど同じ顔、双子設定しかありえない展開で、二者の極端な演じ分けに挑んだわけだが、説得力はあったのだろうか。 アイドルの皆さんが出てくると、いつも思う。威厳や貫禄が出にくい童顔の人は年齢を重ねても厳しいものがある。不機嫌と貫禄はまったく違う。仏頂面や不機嫌だけで乗り切って、天才や凄腕などの下駄を履かされ続けると、愛嬌や愛想など天性の持ち味を封印してしまう。その典型例だと思う。 で、判断しかねるのは「推しの子」(Amazon Prime Video)のカミキヒカル役だ。名字が同じ名俳優が適役だと予想されていたが、開けてみたらニノ。 映画『青の炎』で魅せた狂気に期待する人もいる。もしかしたら挽回作になるかもしれないが、はたして不機嫌の壁を越えられるだろうか……。しばし見守ることにする。 ---------- 吉田 潮(よしだ・うしお) ライター 1972年生まれ。千葉県船橋市出身。法政大学法学部政治学科卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。医療、健康、下ネタ、テレビ、社会全般など幅広く執筆。2010年4月より『週刊新潮』にて「TVふうーん録」の連載開始。2016年9月より東京新聞の放送芸能欄のコラム「風向計」の連載開始。テレビ「週刊フジテレビ批評」「Live News イット!」(ともにフジテレビ)のコメンテーターもたまに務める。 ----------
ライター 吉田 潮