ハコスカとケンメリの偉業【ケンメリ編】今も破られていない歴代スカイライン最大のヒット作「ケンメリ」こと4代目C110スカイライン
【ハコスカとケンメリ|ハコスカとケンメリの偉業 後編(ケンメリ)】 「ハコスカ」ことC10系のスカイラインは、年を追うごとに販売を伸ばし、ハードトップの生産が軌道に乗った1971年は11万台を超える販売台数を記録している。 ヒットしたクルマのモデルチェンジは難しいが、モデルチェンジサイクルの4年を迎えた1972年9月、スカイラインは未練を残さず4代目にバトンを託している。 第4世代のスカイラインに与えられた型式はC110。広告戦略においては「ケンとメリーのスカイライン」のキャッチコピーを使い、先代のC10系よりもファン層の拡大を狙った。 【画像7枚】日産も大々的なキャンペーンで販売をアピールした「ケンメリ」ことC110スカイライン エクステリアはウエッジシェイプを基調とした伸びやかなフォルムを採用する。躍動感あふれ、リアフェンダーのサーフィンラインも彫りが深い。 主役を張る2000GTは、丸形のテールランプだ。これ以降、丸形テールランプが高性能なスカイラインのアイコンとなる。 エンジンやサスペンションなど、メカニズムの多くは3代目のC10から受け継いでいる。 高度経済成長期の真っ只中だったし、クルマ好きはパフォーマンスにあこがれる時代だったから、ロングノーズの2000GTシリーズが売れ筋となっている。 3代目はシングルキャブの2000GTで満足する人が多かった。しかし、4代目のケンメリではSUツインキャブ装着の2000GT-Xが主役。 4速MTでは飽き足らず、5速MTを選ぶ人も増えていた。 ハコスカとケンメリでは、デザインも性格も違う。C10スカイラインはクルマに強いこだわりを持つ人のために設計したおり、乗りこなすにはある程度の腕を必要とした。GT-Rでなくても孤高の存在だったのである。だがC110系スカイラインでは敷居を低くし、多くの人がスカイラインを楽しめるように設計した。だからワイドバリエーションを誇り、4ドアセダンと2ドアハードトップだけでなく、個性的なステーションワゴンも用意している。また、時代の要求に合わせ、イージードライブのAT車も増やした。
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