噛み癖、夜泣き、徘徊…でも愛おしい 21歳で旅立った愛猫ビッケに寄り添った日々
「若い頃は気性が荒く、気に入らなければ噛む・蹴る・引っかくが当たり前。高齢になってからは夜鳴きや徘徊があり、いつも色々難しい猫でしたが、だからこそ深い繋がりがあったように思います」 【写真】保護したころは、手に乗るほどの小ささでした 亡き愛猫ビッケくんを、そう懐かしむ飼い主のりょう吉さん(@ryokichi77)は現在1匹の愛猫と生活中。触れ合えなくなった今も、ビッケくんを心から愛しています。
「一時保護」のつもりで迎えた生後1カ月の子猫
2002年5月5日の夕方。飼い主さん夫妻はスーパーに向かい途中、マンションに面した公園でけたたましく鳴く1匹の子猫と出会いました。子猫の月齢は、生後1カ月ほど。体は手に乗るほどの小ささでした。 保護しようとは考えていなかったものの、見て見ぬフリなどできなかった夫妻は段ボール箱と猫用ミルクを用意。しばらく子猫の様子を見守っていました。 すると、その様子を見ていたマンションの住人が、まさかの行動に。自身の愛犬が使っていたキャリーケースを飼い主さんたちに渡し、保護を依頼してきたのです。 勢いに負け、飼い主さん夫妻は子猫を一時保護することに。体にノミがいたものの子猫は健康で元気いっぱい。離乳も済んでいました。 初めは「一時保護」のつもりでしたが、一緒に暮らす中で家族はメロメロに。「ビッケ」という名前をプレゼントし、正式に家族の一員になってもらいました。 飼い主さん夫妻にとってビッケくんは、“初めての猫”。1日でも長生きしてもらいたくて、猫の生態をネットや本で勉強し、日常の様子をよく観察するようになりました。 ビッケくんは家の雰囲気を察知する猫だったそう。特に好きだったのは、飼い主さん夫妻が仲良く過ごす時間。夕飯時は必ず近くにきて、子どものように座っていたのだとか。 ただし、家族以外の人や動物は苦手。動物病院も嫌いで生後半年の頃に去勢手術をした際には、カルテに「暴れ猫」と書かれたそう。 「いつも甘えたいわけではないけど、『オレが甘えたい時にはすぐに来て!お尻トントンはオレがいいって言うまで!それ以上は噛む!』と、要求がはっきりした猫らしい子でした」 1歳の頃には「ストルバイト尿路結石」になりましたが、療法食により3年ほどで完治。その後は13歳頃まで、病気知らずな日々を送りました。