イタリア人はフランス産ワインを飲まない!? 「サイゼリヤ完全攻略マニュアル」のマッシが解説する、イタリア人とワインの関係性とは?
日々の生活を彩るワインを自分らしく楽しむフィガロワインクラブ。ワインの本場でもあるイタリアでは、どのようにワインを楽しんでいるのだろうか? イタリア人ライター/エッセイストのマッシが、イタリア人とワインの切っても切り離せない関係性について教えてくれた。 【写真】絶対味わうべき余市ワインの生産者3選と、北海道の自然派ワインを楽しめる札幌の名店へ!
「真の文化遺産」であるワイン。
イタリア人にとって愛のように情熱的で、欠かせない日曜日のランチのように伝統的で、サッカーのように人気があるのがイタリア産ワイン。もっと言えば、人生の最高の仲間でもある。そして、イタリア人はフランス産などの外国産ワインをあまり飲まないのが現実だ。 イタリア国内外で高評価を受けるピエモンテのワイン産地に生まれ育った僕は、多くの人に新しい目線でワインを楽しんでもらいたいと思っている。忘れないでほしいのは、イタリア人にとってワインは単にブドウから造られる飲み物というだけではなく「真の文化遺産」だということだ。 イタリアのレストランでは水よりワインのほうが安いので、食事中は水よりワインを飲む人が多い。そしてその地域のワインを飲む時には、その地域の歴史と情熱も感じられる。きっとワイン好きな日本人にとって、イタリアは天国のように思えるだろう。いつの間にか、イタリアに恋に落ちてやめられなくなってしまうのだ!
若年層を中心にワイン人気が高まっている!?
近年、イタリアにおけるワイン消費には大きな変化が見られる。特に注目すべきなのは、若年層を中心にワイン人気が高まっていることと、「イタリア産」への強いこだわりが根強いことだ。 Enpaia-Censisというイタリア農業観測所が発表した「世代別のワイン消費に関する2024年レポート」によると、ワインはもはや単なる飲み物ではなく「人々の生活に深く根ざした文化の一部」として位置づけられているのだという。 イタリア人にとって、ワインは以下のような価値を持つことが共通認識になっている。 品質: 話題のものや人気なものより、高品質なワインを求める。 味: ボトルから注がれるワイン、ワクワクしながら味わいを楽しむ。 伝統: 思い出と地元愛の上に、長い歴史と伝統を持っている。 アイデンティティ: イタリアの文化やアイデンティティを象徴している。 持続可能性: 環境に配慮した生産方法で造られている。 食卓に欠かせないというのは家族と同等の大切な仲間だと言っても過言ではない。イタリア人は子どもの頃からそんな環境にいるから、ワインを飲まなくても無意識にその魅力と大切さが身体の一部になる。