アップル株、1-3月急落で買い戻しに期待感-最悪期を脱するか注目
(ブルームバーグ): 年初来12%のマイナスに沈む米アップル株価がここにきて最悪期を脱するかに注目が集まっている。1-3月(第1四半期)のリターンはS&P500種株価指数を大きく下回り、およそ10年ぶりのさえない結果に終わった。
アップル株が売り込まれたことで利益を得た空売り筋には、持ち高を巻き戻す動機が生まれている。テクニカル分析のアナリストによれば、アップル株価は押し目買いを狙った取引が急増するであろう水準に迫っている。また年初からの出遅れで、アップル株は他の大手テク銘柄と比べて割安に見えるかもしれない。
パイパー・サンドラーのチーフ市場テクニシャン、クレイグ・ジョンソン氏は「誰もアップル株のポジションをこれ以上は売りたがらない。配当や多額の自社株買いに加え、売却に伴うキャピタルゲイン税を支払いたくないためだ」と指摘。「株価がここから大きく下がるとはみていない。アップル株価が長期の移動平均線を明確に上抜けるまで、165-200ドルのレンジに張り付くことの方が一段と大きなリスクだ」と語った。
アップルは今年、時価総額3000億ドル(約45兆4800億円)余りを失い、マイクロソフトに首位の座を奪われた。中国販売の落ち込みに加え、アプリ配信サービス「アップストア」に対する規制当局の締め付け、成長見通しに対する懸念が株価の重しとなっている。
ブルームバーグがまとめたデータによると、アップルのリターンは1-3月に、上値を伸ばしたS&P500種を21ポイント下回り、2013年以来の低調なパフォーマンスに終わった。
こうした中、アップル株価は重要な支持線である165ドルに近づいている。これは株式市場全体が底を打った昨年10月につけた安値水準だ。
アップル株は最近の取引で、一時170ドルを割り込む場面があった。170ドルを割り込み、この水準を維持するようであれば、10月の安値165.67ドルの水準まで引き戻されるシナリオが視界に入る。1日終値は170.03ドル。市場関係者の間では、165ドル付近の支持線レベルで押し目買いが入るかどうかに注目が集まっている。