「子どもの塾以前に日常生活で不可欠なことって?」中学受験ママ・パパと人気塾講師が本音トーク
中学受験の勉強は、塾に行く以前の経験と日常の学びが重要? 中学受験インフルエンサーのママとパパ、YouTubeで人気の菊池洋匡先生とユウシン先生、合計6人が、座談会という名の飲み会を開催! with class編集長の岡本が、中受の本音をみなさんに聞いちゃいます。 【本音座談会第1回から読む】中学受験準備を始める最適な時期はいつ?
子どもの将来を考えて中学受験をやめる選択も
【岡本】 前回は塾の選び方をおうかがいしましたが、そもそも中学受験に向いていないお子さんもいるんでしょうか? 【ユウシン】 塾に行っているけれど明らかに勉強がうまくいっていない、というお子さんはいると思います。個別指導塾Growyでも昨年、中学受験をやめたご家庭が1組ありました。いろいろな選択肢を僕からもお話しして、その上で決断されました。 【菊池】 僕も、率直に親御さんにお伝えしています。向いていないから受験をやめたほうがいいですよ、とお話しするんじゃなくて、「子育てのゴールはなんですか? お子さんに将来どうなってほしいですか?」と、まず考えていただくようお願いします。中学受験は、そこにたどり着くためのルートの一つでしかありませんから。 【ねね】 塾がそう言ってくださるのは、すごく良心的ですね。 【菊池】 そういう場合、たいがいお子さん自身が受験したくないと言っているんですね。それもお伝えして、お話し合いを積み重ねます。こうしてください、と親御さんに言うわけではありません。お子さんの現状を正しくお伝えすることを心がけています。 【エロイーズ】 どのくらいの時期にそういう相談をされるんですか? さすがに受験直前は難しいでしょう? 【菊池】 伸学会ですと、4年から5年、5年から6年と学年が上がるタイミングが多いかもしれません。「進級されますか?」と親御さんにお聞きします。
5年生になるときに勉強のレベルをアップデート?
【勉三】 確かに中学受験まで一直線に走り抜けるんじゃなくて、5年生になる段階くらいで、子どももいったん立ち止まって考える時間が必要かもしれませんね。中学受験が自分にとって本当に必要なのか、本当に最後までやり切れるのか。 【えり先生】 勉三さんのお宅も、考える時期がありましたか? 【勉三】 ありました。5年になるときに、勉強のレベルも少しアップデートしないといけないんです。 【えり先生】 アップデート? 【勉三】 算数の「比」と「割合」です。4年生までは数字を当てはめれば、算数の問題は正解できるんです。でも5年生からは、比と割合を使わないと文章題が解けなくなってくる。そのアップデートができないと、中学受験の勉強を続けるのはかなり辛い。逆に言えば、比と割合が理解できれば、少なくとも算数に関しては、比較的楽に受験できるんじゃないかと思います。 【ユウシン】 20%を「×0.2」という数式に置き換えられるか、ですよね。算数は置き換えですから。 【菊池】 4年生までの問題は具体的なんです。5年生から、だんだん抽象化されてくる。「瓶の中の水の20%」と問題にあったときに、それがどれくらいかパッとイメージできるか? イメージできる子と、ただの記号にしか見えない子では、埋められない差ができてしまうんです。