イチロー&松井秀喜氏がデータ依存のメジャーリーグに「ストレス溜まる」と危惧、「日本も危ない」と警鐘
人気ドキュメンタリー番組「情熱大陸 イチロー 2夜連続スペシャル」(MBS/TBS系)で、マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏が出演して大きな反響を呼んだ。特に話題となったのはヤンキースGM特別アドバイザーの松井秀喜氏との対談で、データ重視が進む現代の野球に警鐘を鳴らすやり取りだった。 【写真】イチローが「本当の天才」と呼んだ打者はこちら 松井氏から「今のメジャーの試合見て、ストレス溜まりませんか?」と疑問を投げかけられると、イチロー氏は「溜まる溜まる。めちゃめちゃ溜まるよ」と即答。イチロー氏は「まあ、退屈な野球」と続けると、松井氏は「打順の意味とか、薄れちゃっていますよね」と理解を示した。イチロー氏は「それぞれの役割みたいのがまったくないもんね。怖いのは日本が何年遅れかでそれを追っていくので、危ないよね。この流れは」と危惧。「目で見える情報をインプットして、そうなのかって。ある意味で洗脳されてしまっているよね。選手の気持ち、メンタルはデータに反映されないわけで。目に見えないことで大事なことはいっぱいあるのにな、って。でもみんなそれ(データ重視)をやるから、そこの勝負みたいになっちゃって」と複雑な表情を浮かべていた。 ■「現代野球への貴重な警鐘」 「イチローさんは感性を大事にする方で以前からデータ依存の野球に懐疑的な見方を示していましたが、松井さんも同様の考えを持って発言したことに驚きました。現役の選手は思っていても、なかなか言えない部分があると思います。2人の発言は時代遅れの考えではなく、現代野球への警鐘として貴重な意見です」(民放のテレビ関係者) メジャーリーグはデータを駆使しなければ勝てない時代になっている。最新機器の普及で、投手は球速、回転数、変化球の曲がり幅など細かく数値化され、打者はどのコース、球種が弱点か、不調の時と好調時のスイング軌道の違いが確認できる。選手たちは相手投手の特徴を調べるため、試合中にベンチでタブレットを見つめる光景が日常になっている。