【沸騰化時代の処方箋】環境問題解決への近道は“子どもの教育” 暗闇の街が「世界のお手本」になるまで
「自分の幸せは、また誰かが使ってくれること」 “モノを大切に”が根付いたフィンランド
こうした環境への意識は、今ではフィンランド全体に広がっています。首都・ヘルシンキの街で道行く人に話を聞いてみると「洋服を友達同士で交換したりすることもあるよ。この靴も友達からもらったよ」「(着ている服やカバンは)リユースショップで買ったもの。私の周りの人たちはリユースショップで買う人が多いです。逆に新しく買う人はとても少ない」と、暮らしの“常識”自体が私たち日本人とは違うようでした。 去年、国の玄関である空港に世界で初めてリユースショップがオープンするほど、フィンランド人にとって“環境に良い”ことはもちろん“モノを大切に使う”ということが、とても強く根付いているようです。
さらに、ただのリユースショップではなく、棚を1週間、約6600円(39ユーロ)で借り、その棚で自分が使わなくなった物を売れる、いわゆるフリマアプリの店舗版のような店も。 服を整理していた男性に声をかけると「使ってないものをリサイクルできるように持ってきたんです。今日から1週間、ここを借りてるんです。全部5ユーロ(約850円)で売ります。自分の幸せは、また誰かが使ってくれることだから(安くても大丈夫)」と話してくれました。
店内には、洋服だけではなく、家具や高級な食器など様々な中古品が置かれています。店を訪れていた人の中には、子どもへの誕生日やクリスマスのプレゼントをリユースショップで購入したという人もいました。リユース品のプレゼントをもらった子どもに話を聞いても「(嫌だと)考えたことなかった」といい、リユース品やリサイクル品に対してまったく抵抗がない様子です。
オーナー ミッコ パーボラさん: 「みんな1週間でだいたい200ユーロくらい売り上げています。お店は売り上げの7%とレンタル棚代をもらっています。(リサイクルする人は)毎年増えているし、今はトレンドにもなっています。こうやってリサイクルする人たちが増えれば、どんどんその輪が広がっていくんです」 さまざまな形で環境に取り組むフィンランド。そこには私たち日本人が学ぶべき暮らしのヒントがたくさんありました。