2億5000万円の命名権に買い手がつかない札幌ドーム 明暗が分かれた北海道二大ドーム
今月2日と3日、札幌ドームで日本ハムのオープン戦が行われた。両者の契約は今月末までで、今後はかの地でプロ野球が開催されることはなさそうだ 【写真を見る】日ハムの新規球場・エスコンフィールド
「新庄剛志が天井から宙吊りで登場したり、ハーレーで乗りつけたり……と札幌ドームの名場面は数あれど、昨季から日ハムは新球場エスコンフィールドに移転。いまや札幌ドーム内の広告スペースはスカスカで、もの寂しい風景でした」 と全国紙デスクが嘆く。
高すぎる命名権
今年度は約3億円の赤字を見込んでいるという札幌ドーム。窮余の策で命名権を売りに出すも、値札は年間2億5000万円。買い手はつかず、“高すぎる”と批判されている。 「ライバルのエスコンフィールドの命名権が史上最高額の10年50億円だったことへの対抗心もあるのでしょう。でも、いま札幌ドームを定期的に使っているのはサッカーのコンサドーレ札幌だけ。プロ野球と比べてJリーグは試合数が少ないので相場は下がります」 複数クラブが本拠とする東京の味の素スタジアムですら年間2億1000万円。福岡や新潟などにあるサッカースタジアムの相場は多く見積もっても5000万円程度だ。買い手がつかないはずである。
「意外と地に足の着いた野球」
一方、エスコンフィールドには曙光がさしている。 就任1年目の開幕こそ空飛ぶバイクでド派手に札幌ドームに降臨した新庄監督だが、エスコンのこけら落としでもあった2年目の開幕戦は目立った行動は無し。シーズン中も奇抜なパフォーマンスは影を潜めた。けれど、 「意外と地に足の着いた野球をやっているんです。今季は期待できますよ」 と語る先のデスクいわく、 「FAで山崎福也投手を獲得したほか、FA権を持つ加藤貴之投手の慰留にも成功。メジャー通算108発のレイエスら外国人選手も補強し、万波中正をはじめ若手も育っている。他球団は警戒を強めています」 オープン戦は、昨季日本一の阪神に2試合連続で逆転勝ちするなど好調な出だしとなった。 彼の恩師、故野村克也氏はこんな言葉を遺している。 〈1年目には種をまき、2年目には水をやり、3年目には花を咲かせましょう〉 彼にとって今季はその3年目。花は咲くのか。
「週刊新潮」2024年3月14日号 掲載
新潮社