武田直大が延長戦で2発!瀬戸内を全国に導く
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)広島予選は6月9日に決勝戦が行われ、瀬戸内が広島皆実を下して2年ぶりに全国大会への出場を決めた。 【フォトギャラリー】瀬戸内 vs 広島皆実 立ち上がりは瀬戸内がパワーで押し込んだ。ロングスローを武器に持つ村上陽哉がピッチを躍動。10分に左サイドからロングスローを入れた村上は、DFが弾き出したボールを拾った大塚八寛がゴール前へ入れると、勢いよく飛び込んでGKに競り勝ってゴールネットを揺さぶって観客を沸かせてみせた。 すると23分、皆実の10番が観客の度肝を抜くゴールを決める。ボールを奪った佐々木喬胤からセンターサークルでパスを受けた野村陸路が、GKが前に出ていたところを見逃さず60M超のロングシュートを放つと、これが見事に決まって広島皆実が同点に追い付いた。 1-1のタイスコアに戻ってからは、意地と意地のぶつかり合う激しい攻防が続いた。4月にプリンスリーグ中国で対戦した際は皆実が勝利を収めているが、その試合も3-2のクロスゲームだった。実力が伯仲している両チームは互いに譲らず試合は延長戦に突入した中で、瀬戸内の17番武田直大が決定的な活躍を見せる。 延長前半5分に仲間を信じてゴール前へ走り込み、山本寛太のパスを受けて右足を振り抜いてゴールネットを揺らした武田は、延長後半4分にもヘディングシュートを決めてチームを勝利に導いた。 ライバルの皆実を振り切って全国大会への出場を決めた田中健二郎監督は、安堵の笑みを浮べた。 「今年に全国に出られなかったらなかったら全国を知らない子ばっかりになるんで、来年はまた初出場ってことになる。これまでのウチの伝統を続けるのはお前ら3年生だよっていう話をしてこの大会に入ったんですけど、本当に頑張ってくれた。全国では広島の代表として1個ずつやっていくしかないかなと思うんで、覚悟を決めて頑張ります」 殊勲者となった武田も顔いっぱいに笑みを広げた。 「今大会はチームに何も貢献できてなかったんで、何とかしたいって思いでゴールに飛び込みました。去年は試合に出ていてもチームを勝たせることはなかったんで、メンタル的に成長できたのかなと思う。全国大会もチャレンジャー精神で臨んで、自分ができることを精いっぱいやってチームを勝たせたいと思います」 プライドを賭けて今大会に臨み、武田がチームを勝利に導く活躍を見せた瀬戸内が、2大会ぶり9回目となる全国出場をつかみ取った。 (文・写真=寺田弘幸)