「第1回MIMOCA EYE/ミモカアイ」大賞受賞記念 西條茜展が丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で25年1月26日から開催。気鋭のアーティストの表現を紹介
「若い作家を育てる」
若いアーティストが独自の才能をはばたかせる場として2022年に始まった公募展「MIMOCA EYE/ミモカアイ」。その第1回大賞受賞者である西條茜の個展が、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催される。会期は2025年1月26日~3月30日。 「アートとはその時代の答えであって、アーティストはこの現代をどう表現するのかという責任がある。それがコンテンポラリーアート。未来に向かってアーティストがどういうふうに方向づけ、今にないものを発見していくかっていう、一番大事で一番難しいことの結果を見せる美術館であってほしい」。 猪熊弦一郎のこの言葉を指針とする同館がスタートさせた「MIMOCA EYE/ミモカアイ」は35歳以下を対象とした公募展。猪熊が考えた「若い作家を育てる」という指針に則り、美術館での個展が未経験であることを応募条件のひとつに、大賞の副賞を同館での個展開催の機会としている。 第1回大賞受賞者である西條が受賞から2年を経て、その間の経験をも糧にし、満を持して開催する個展が本展となる。 西條は1989年生まれ。2014年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程工芸専攻陶磁器分野修了。2013年ロンドンロイヤルカレッジオブアートへ交換留学。近年は陶磁器の特徴ともいえる内部の空洞と表面の艶やかな質感から「身体性」をキーワードに、陶彫作品及びそれらに息や声を吹き込むパフォーマンスを発表している。また世界各地にある窯元などに滞在し、地元の伝説や史実に基づいた作品も制作している。 本展では陶の作品のほか、制作において息を吹き込む過程のあるガラス作品も発表し、作品と身体との境界をさらに考察する。また、手で直接粘土に触れ、その動きに応じて形を成し表面に手跡が残る陶芸を、身体を実感し自身と世界とのコミュニケーションの実践と考える作家は、パフォーマンスに運搬という行為を新しく取り入れ、作品と身体、身体相互、さらに身体とそれを取り巻く環境はどのようなコミュニケーションを取り得るのかを探る。
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