奥平大兼が明かした宝物「おばあちゃんからもらったネックレスを、ずっとつけてます」
実感した、チームワークの大切さ
「赤羽骨子を守る」という一つの目的のために動く3年4組。彼らは、ゴールを共有しているチームである。実際には、年齢幅のある面々で同級生としてコミュニケーションをとる必要があったわけだが、奥平は撮影現場の空気をどのように感じ取っていたのか。 「一緒に人狼ゲームとかUNOとかジェンガとかで遊んで、空き時間にたくさん話せる機会があったのは、この現場においてとても良い方向に作用したと思います。カメラが回ってないときに話す時間は、相手のことを知るうえで大事ですね。何せ、荒邦と骨子以外はずっと一緒に行動しているチームなので、カジュアルになんでも話せる関係性づくりは、あらためて大切だなと思いました」 撮影現場での立ち振る舞いについて聞いていると、映画『MOTHER マザー』(2020)に出演してから約4年ほどとなる奥平のキャリアにおいて「他者との距離感」がキーワードとして立ちのぼってくる。 「撮影現場では、なるべく自分から話しかけてコミュニケーションをとろうと意識しているんですけど、でも、タイミングが難しいですよね。次のシーンに向けて集中しているかもしれないし、それを邪魔しちゃうのも申し訳ないから。今回みたいに、自然と『みんなで遊ぼう!』って空気感になれば、遠慮なく話せるんですけど」 過去を振り返ると、『君は放課後インソムニア』で共演した森七菜とは、初対面じゃなかったにも関わらず、最初は満足に会話ができなかったという。役の関係性を通し、少しずつ話すようになったことで、役者同士の信頼を形成していった。現場ごとに違う立ちまわり方、共演者との距離感などを図っていくことで、だんだんと自身にフィットする現場での過ごし方を会得していったことが窺える。
友人との縁を持続させるために
俳優としてデビューして以降、出演作が途切れない奥平。友人との縁を大切にしている印象の強い彼だが、忙しい合間を縫って、どうやってプライベートの時間を確保しているのか。 「友達への連絡は、油断するとどうしても回数が減っちゃうんですけど、定期的に一緒にご飯に行ったりしてます。限られた時間だからこそ、距離感を大切にしてますね。それこそ詩羽は、向こうが距離感バグっている子なので(笑)、あまり気を遣わずに済むんですけど、人によっては『これ以上は入ってきてほしくない』っていう線引きがあるじゃないですか。お互いに心地良いラインを探りつつ、楽しい時間を過ごせるように気をつけているかもしれません」 人それぞれ、心地良いパーソナルスペースがある。親しき仲にも礼儀あり、という、当たり前だからこそ難しい人間関係の機微。「ちょっと寂しいな、と思うときもありますね」と本音がチラリと顔をだす。 「宮世琉弥とか藤原大祐とか、細かいことを考えずに仲良くできる友人もたくさんいて。みんなそれくらい距離を縮められたらいいのかもしれないですけど、やっぱり人それぞれのパーソナルスペースは尊重したいですよね。そこはやっぱり礼儀だと思うし、守るべき距離感を守っていれば、ずっと仲良くいられると思うので」