研ナオコが志村けんや八代亜紀、りりィら“天国の盟友”への思いを吐露「最期の顔が本当にきれいでした……」
中島みゆき作品だけでアナログ盤を発売「彼女の提供曲には駄作がない」
そして、’24年3月には、アルバム『中島みゆき作品BESTアナログ』がLPレコード限定2枚組で発売される。これまで発売された中島みゆき作詞・作曲の中から24曲を選曲して新たにマスタリング。また、ジャケットやブックレット等のアートワークは中島みゆき作品でもおなじみのTAMJIN(田村仁)が撮影した写真から構成するというこだわりがある。
「これは、レコード会社(ポニーキャニオン)主導で作ってくれています。選曲時も候補を出してもらって、それを必ずチェックしていますね。去年の『オールタイム・ベスト』のジャケットデザインも、イマドキ風に顔に文字が被ったものでもOKを出しています。それにしても、ここ30年ほどポニーキャニオンからは、まったく注力されていなかったんですよ(笑)。ずっと知らんぷりされていたのに、昨年あたりから声をかけられて、内心“このやろう……!”って気持ちです。ここ、“本心です”って書いておいてください(笑)」 それだけ、近年の昭和歌謡ブームにおいて、研ナオコは重要な位置にいるということだろう。本作には、「LA-LA-LA」「あばよ」「かもめはかもめ」「窓ガラス」などのヒット曲のほか、’77年のアルバム収録曲「ふられた気分で」を’82年に別アレンジで歌い直した「ふられた気分」も収録されている。 「この曲は、テレビでもあまり歌っていなくて、自分でもなぜこの時期に発売したかは覚えていないのですが、“このままアルバムに埋もれさせてはいけない”と、シングル化をお願いしたんだと思います。せっかく、みゆきちゃんが書いてくれたんだもの。彼女にとって、曲を書くのは、命を削るような作業だと思うんですよ。みゆきちゃんが私に書いてくれた曲は、1曲たりとも駄作がありませんから」
梅沢富美男との舞台は“満身創痍”。リスナーには「私の曲に限らず自由に聴いて」
そして、’24年も、梅沢富美男が率いる劇団とのジョイントショーが開催される。これは、芝居、歌、舞踊という三部構成で、研ナオコは芝居と歌で出演するのだが、1か月間、ほぼ休みなく連続して行われる劇場公演もあるというから驚きだ。 「十数年前、梅沢さんが声をかけてくれたんですよ。それ以来、自分の歌のツアーも回りつつ、梅沢さんとのお芝居や歌もあって、大忙しですね。ソロのコンサートも、劇場でのジョイントショーもどちらも好きなんですが、ショーのほうは、1日2回公演なんですよ。あれだけものすごい数のスタッフやキャストを抱えていると、(採算面の都合で)2回やる必要があるでしょうけど、私自身は体力的にキツいから、昼公演が終わったら少なくとも30分間はバタンと倒れるように寝ますね。そうしないと夜公演まで持たない。もうね、身体も精神もガタガタで、公演中はさらに体重が減っちゃうんです……。 なのに富美男は、どんどん太るんですよ(笑)。舞踊ショーなんて早替えの連続で、彼はものすごいエネルギーを使っているはずなのに、終わったあと、ガッツリ食べて飲んで。梅沢さんの劇団で全国を回っていたら、ご夫婦でいらっしゃる方やお客様の年齢層が幅広くなっています。若いお客様が来てくださるようになったり、お互いにいい影響を与え合っているなあと思いますね!」 そんな中での健康の秘訣は、毎日、白湯を飲むことだと語る。 「毎日欠かさず白湯を飲むと、腸がきれいになっている気がしますね。あと、冷え性なので、そういう方にもとってもオススメです。つい飲み忘れてしまうと、マネージャーから注意されます(笑)」 最後に、動画サイトやストリーミングサービスをきっかけに研ナオコの楽曲を聴くようになった人たちにメッセージをお願いしたところ、 「今は新しい曲でもいい曲がいっぱいありますよね。私も、『CDTV ライブ! ライブ!』(TBS系)などで最近の若い子の曲を聴いているし、昭和の歌も知っていますから、それぞれのよさを楽しんでいますよ。私の歌以外でも、素敵な曲はいっぱいありますから、みなさんに自由に聴いてもらえれば十分です!」 と答えが返ってきた。ちなみに、近年のアーティストでは、Official髭男dism、Mrs.GREEN APPLE、Vaundy、キタニタツヤ、「あのちゃん」ことanoなどに感心したという。それでも、歌は別物なので、メイク動画のように気軽にアップすることは絶対にしないそうだ。 こうして話を伺っていると、コントやモノマネなど、バラエティー番組にも多数挑んできて、近年はブログやYouTubeで若い世代にも人気の研ナオコだが、その一方で、音楽面では常に真剣な取り組みを続けている。このバランス感覚があったからこそ、ヒットに固執することなく、後世にまで残るいい曲の数々を発表できたのであろう。 研ナオコのこうした前向きながらも穏やかな生き方は、あらゆる分野で頑張っている人々の共感を生んでいるに違いない。50年以上も活躍し続けているのは、まさに彼女が努力されてきたことの賜物なのだ。